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64話 桜の木 ページ21

三日月side


この本丸の中庭には


とても綺麗で大きい桜の木がある


不思議とこの木だけは現世や本丸の周りの桜の木と違い


年中咲き乱れている


おそらく何があるのだろうが


どうでもいい


今はただ、その美しい姿を楽しもうと


根元に座っていると近くに美桜がやってきた


短刀たちとかくれんぼをしているのだろう


そう考えた俺は美桜から視線を外し、


桜へと意識を集中させた


ふと足に感じた重み


何かと思い、目を向けると


美桜が足の上に乗っていた


しかも、俺と向かい会うようにして


あなや


これは驚いたな


鶴ではないが、彼の言葉を借りていうとそうなる


イヤイヤ期を迎え、


俺と一緒にいることがなくなった美桜が


自分から俺の足の上に乗ってきたのだ


これが驚かずにいられるだろうか、


いや、できる筈がない←反語


どうかしたのか?とそう問うと、


上に指をさしながら


『うえ!』


と言った


上に登りたいのだろうか


いくらこの木が立派で大人でも座ることができようと


美桜をのせるのはあまりに危険ではないか


美桜に万一の時があれば大変だ


三日月「駄目だ。美桜、上に登るのは危険だ」


『やっ、うえ!』


ふむ、これは困ったものだ




ふむ、俺がしっかりと抱えていればいいだろう


そう判断した俺は美桜を抱え、桜の木の上に登った


少しずつ登るが、美桜には高い所を怖がる


素振りが見られない


俺の膝くらいの身長の美桜にとって


桜の木の上はとてもわくわくするようだ


現に目を輝かせている


どうせ、登るのなら美桜に良い景色を見せてやろう

66話 出陣命令→←番外編 江雪とお花さん


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作者名:レイン | 作成日時:2017年12月9日 20時

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