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「俺達は今更遅いかもしれないけどフィフスセクターの決定に従うつもりです。これ以上フィフスセクターに逆らってサッカーをする機会まで奪われたくないですから」
倉間先輩の決意は硬そうだ。彼の後ろで天城さんも頷いている。
「天馬、お前はどうだ？ 」
「……俺、考えました。考えて考えて……それでもやっぱり本当のサッカーがしたいです」
「チッ、まだそんな」
「でも！ それは俺一人だけじゃなくて雷門サッカー部の皆と本当のサッカーがしたいんです！ だから皆が本当のサッカーをできるようにする為にも俺、フィフスセクターと戦います！ 」
「僕もやります！ 」
「俺も……決めました」
「……ったく、仕方ないな」
信助、神童先輩が天馬に続くと、間を置いて霧野先輩が口を開けた。
「付き合ってやるよ、神童」
「霧野……！ 」
「俺はそんなに内申書気にしてないし。それにこの間の一回戦、結構楽しかったしな」
神童先輩の顔が綻ぶ。
「フィフスセクターの恐ろしさを分かった上で五人か。……おい、じわじわ近づいてくるんじゃねえ」
「わ、バレた」
皆と距離を置いていた剣城が気になり、音を立てずに近寄ったつもりだったがバレバレだった。
「松風がいう本当のサッカーも今日までだ。お前は今からでも処分されずに済む、いい言い訳を考えておくんだな」
「む。必要ないからいい」
「フン」
「それじゃあ今から試合会場の万能坂中へ向かいます。万能坂中はちょっと入り組んだ所にあって、途中から歩いて行く事になりますから、出発前にもう一度しっかり荷物の確認をしてくださーい！ 」
葵ちゃんの言葉通り、万能坂中への道は車が通れない急斜面だった。
「うわ……！ 」
キャラバンから降りるなり松風君が隣で驚いている。
「万能坂中までの道程は世界の坂道カタログにも収録されているくらいなんだ」──神童先輩が言う。
「へぇー！ 本に載るくらい凄い坂なんですね。……風も気持ちいい」
「ホントだ」
松風君の髪が風に吹かれて揺れていた。
「これを毎日万能坂中の生徒は登ってるんだよね。坂は坂で大変そうだなぁ……」
標高が高いので、木陰に入ると吹く風をやけに冷たく感じる。一年生は先輩の後ろを歩いているのだが、その更に後ろを剣城が歩く。
「剣城疲れたのー？ 」
「……」
「あれ、聞こえてない？ 剣城ー！ 」
「うるせえ」
「何だよ煩い煩いっていつも……あっ、待ってってば！ 」
走り出した剣城をすぐに追う。
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
