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突然聞こえてきた大人の声に、私はビクリと体を震わせた。振り返るとそこには健康的な小麦色の肌をした若い男性が、バインダー片手に立っていた。サッカー部の監督だろうか。
というかこの人どこか見覚えがあるような──？
「
松風君の呼び掛けに男性は白い歯を見せて笑う。
「え」
ガツンと頭にハンマーをぶつけられた気分だ。
「ええええええッーー！？ え、円堂って、あの伝説のゴールキーパー、円堂守選手ーー！？ 」
「そうだよ！ その円堂さんが僕達の監督なんだ！ 」
西園君が得意げに鼻の頭をかく。
円堂守と言えばこの日本でサッカーをする人間なら誰もが知っている伝説の存在だ。十年前廃部寸前だった雷門中サッカー部を盛り立て見事全国一位になってみせたイナズマ伝説を皮切りに、その後もＦＦＩで日本代表を世界一へと導いたりと彼が残した逸話は枚挙に暇が無い。噂では宇宙人ですら延してみせたとか。
私は逸る気持ちを抑えながらスカートで手汗を拭いた。
「えええ円堂さん！ サ、サっ……」
「ん？ 」
ガクガクと顎を震わせる私を円堂さんは静かに見守ってくれている。
ええい、ままよ！ ここまで来たら言ってしまえ！
「──サッカーやりましょう！！ 」
しょう……ショウ……ショウ……。
私の声がフィールドに反響した。
面食らった様子の松風君と西園君の顔が視界の端に映る。円堂さんは私の言葉に「あぁ！ 」と短く返してくれた。
「君、名前は」
「は……反田典子です」
「そうか。サッカー好きか？ 」
「大好きです！！ 」
円堂さんは私の返事を聞いて満足気に笑う。
「反田さんサッカーするんだ！？ 」
「うん！ サッカー大好きだから！ だから、サッカー部に入りたくて……」
「でも、言い難いけど……女子はマネージャーにしかなれないよね？ 」
西園君が戸惑いながら言う。
「え？ でも私」
「お前達何をはしゃいでいる！ 」
神童さんの声だ。
彼は早歩きでこちらへと来ると、松風君と西園君をひと睨みした後私にもその鋭い視線を向けてきた。こ、怖い。
「マネージャーとはいえ、遊び半分の気持ちでサッカー部に入るつもりなら帰ってもらうぞ」
「す、すみません！ 」
「お前達も！ ボールの準備が終わったらウォーミングアップを始めないか！ 」
「「はい！！ 」」
怒鳴られた二人がグラウンドの端の方へと駆け出した。
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
