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「すみません！！ 遅くなりました！ 」
後ろからバタバタと三人分の足音。慌ただしい彼らは来るやいなや神童さんに深々と頭を下げる。何だこれから部員が集まるのか。
「あぁ。来たのか」
その様子を冷めた目で見つつも、すぐに彼らの遅刻を許す神童さん。
「キャプテン。その子は？ 」
茶髪の男子生徒が顔を上げ、私の事を尋ねてくる。彼の特徴的な虹彩を見ていると何だか吸い込まれてしまいそうだなと少し恐ろしく感じた。
「入部希望者だ。……そういえば名前まだ聞いてなかったな」
「
「俺、松風天馬！ こっちは俺と同じ一年の西園信助と幼馴染みの空野葵」
「宜しく！ 」
「宜しくね典子ちゃん！ 」
私の半分の背丈よりも低い位置で飛び跳ねる西園君が何だか小動物みたいで可愛らしい。
それと何より同じ一年生の女子部員がいるのが分かって良かった。男所帯に慣れてはいるが、やはり女の子が一人いるだけでも気持ちは随分と軽くなる。
「うん！ 宜しくね！ 」
「反田。マネージャーの仕事は放課後の練習時に他の奴らから説明を受けて貰うから、今のところは帰ってくれ」
「あ、はい！ 放課後また来ます！ 」
「またね！ 」
一礼をした後、四人に見送られつつ私は自分の教室へと向かった。
さっき会った松風君達の内誰かと同じクラスだったら良いなとぼんやり思っていたが人生そう上手くいく筈もなく。
「えー、負の数の掛け算ではー」
「……はぁ」
誰一人として知った顔のいない教室で私はガックリと肩を落とす。
早く放課後にならないかな、と罫線ノートにお気に入りのシャーペンで板書を写した。
終業のチャイムと共に教室を出る。授業中に読み込んだ校舎の地図を頭で思い出しながらサッカー棟へと走り出した。
「こんにちはー！ 」
「あ、反田さん」
今朝会った松風君は学ランでは無くユニフォームで身を包んでいて、西園君とサッカーボールの準備をしていた。
「私も手伝うよ」
「いいの？ 助かるや」
「よいしょ、よいしょ」
サッカーボールが入った籠を三人で適切な場所まで押していく。
「ねぇねぇ」
私は隣にいる松風君に話しかけた。
「それ一軍のユニフォームでしょ？ 一年生なのにレギュラーなんて凄いね！ 」
「えっと……」
歯切れが悪い松風君に首を傾げつつも、何とか籠を運び終わる。
「ん？ 松風君、どうかした？ 」
「──お！ 来てるな！ 」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
