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剣城は結局午後の練習に顔を出さなかった。黒木さんと聖帝と、何を話したんだろう。そればかり気になって寝不足気味だ。
「今度誘う時は豚マンを奢るって言ってみようかな……」
「もういいじゃん。ほっとこうよ剣城なんて」
それより今は先輩達でしょ──西園君の言葉に関心が剣城から目の前の先輩達に戻る。
「それじゃ俺達向こうで練習するんで。監督達はグラウンドを使ってください」
「先輩達今日も一緒に練習しないんだ……」
車田さんの言葉に目に見えて落ち込む松風君。彼が落ち込むと、私も西園君も釣られてしまう。
「大丈夫だ！ 本当のサッカーをやりたい気持ちがあれば必ず皆揃う日が来る」
円堂さんの言葉も、この日ばかりはあまり心に響かなかった。
「──そんな日は来ませんよ」
いつの間に来ていたのだろう。冬海校長が円堂さんへ馬鹿にした様な視線を向けて立っていた。
「たった今、理事長室にフィフスセクターの使者がいらっしゃいました。指示書を持って来てくださったそうです。円堂監督、フィフスセクターに謝るチャンスですよ？ まあもう君のクビは決まっているのかもしれませんがね……」
「心配するな。とにかく理事長室へ行ってみよう」
まだ何か言いたげだった冬海校長を無視して、サッカー部全員で理事長室へと向かう。円堂さんとの練習を拒んだ先輩達とはいえ、フィフスセクターの指示は気になって当然だった。
「おい、剣城がいねえじゃん。アイツの面が拝めるかと思って態々来てやったのに、無駄足かよ」
入るなり(剣城といい勝負をする位には)目つきの悪い男子が笑った。
「これがフィフスセクターの使者？ 何だか三人共ガラ悪いド」
「磯崎ー、さっさと用を済ませて帰ろうぜ。ほら、フィフスセクターからの指示書だよ」
可愛らしい容姿からは想像がつかない喧嘩腰の口調で、彼は一枚の封筒を投げて寄越す。地面に落ちるギリギリに金山理事長が半ば拾うようにしてキャッチした。
「え、えーっと……ホーリーロード二回戦、対戦相手は万能坂中。勝敗は１ー０で敗退……」
「負けか。やはりな」
「ハハッ！ アンタらマジでフィフスセクターに見捨てられたな」
「俺達みたいにちゃんと言う事を聞いてりゃ勝ちが貰えるのによ。馬鹿な奴らだぜ」
「何それ、勝ち負けは貰うものじゃない！！ 」
ムッときた私は思わず口を挟んだ。
「あ？ 」
鋭い目で私を刺す様に見てきた彼は、私の顔を何秒か睨んだ後含みのある笑みを浮かべる。
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
