検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:6,696 hit

ページ25

「狩屋が来てちょっと焦ってたんだ」

 帰路で信助は私達に言った。

「だから余計に必殺技を完成させなきゃって頭でいっぱいだったのかも。ディフェンス技からシュート技にするとか……もっと言うならヘディングじゃなくてキックにするとか絶対思いつかなかったよ」
「それは先輩達に感謝だね! 私も信助と同じで、ヘディングをどう強化するかって悩んで終わりだった気がするし」
「うんうん。やっぱり先輩達と練習するのって勉強になるよ! 」
「……ありがとう、二人共! 」

 信助が破顔する。私は松風と顔を見合わせた後、揃って笑った。

「次はヘディングを使った必殺技を編み出そうな! 」
「えー気が早くない? 」
「何言ってるんだよ〜まさかヘディングはそのままにしておく気だったの? 勿体無いやん! 」
「そうだよ! 俺達ならこれからもっと色んな必殺技身につけて、もっと強くなるんだ! 」

 松風の言葉に私は強く頷く。

「あっ、化身! 化身出そうよ信助! 」
「だから気が早いってー! 」




『帝国戦に向けて新しいシューズ。買おうと思っているんです。オススメを教えてください! 』
『@しんすけ 一概には言えないな。素材によっても感覚が変わってくるし何より足にフィットしていなければ。』
『@しんどう そういうのは実際に履いてみるのが一番だ。帰りに買い物に付き合うぜ』
『@きりの ありがとうございます! 』

 自宅でイナッターを覗くと信助の投稿に目がいった。

「いいなー。私も先輩にスパイク選びとかしたい、練習見てもらいたーい……」

 最近は信助の必殺技特訓に付きっきりだったのもあるが、先輩とワンツーマンで練習する機会はまだ訪れていない。
 フォワードの先輩と言えば倉間先輩だ。万能坂戦前はそもそもフィフスセクターに従っていたから誘っても練習にすら来てくれなかったし、今はアルティメットサンダーの最後のキッカー候補として忙しくしているので私は全く相手にしてもらえずにいる。
 ベッドへと倒れ込むと、携帯が鳴った。イナッターの通知音ではないそれは通話の呼び出しだった。

「──」

 体温が急に下がる。
 それが諦めてくれるまでずっと息を殺して、体を縮めた。




『マネージャー業のシードを育成した結果女子サッカーは衰退した。サッカーは、全ての少年少女に平等に与えられなくてはならない。反田典子。さしずめ君は自由の女神だ』

 いいえ。
 そうだ、私は火だったのだ。
 欲しくてならぬ。ああ、私は──

4 剣城京介の銀貨→←▼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:イナGO , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やに | 作成日時:2022年8月26日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。