【転生】還る場所は。−2−【Produce101】

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候補生から下ろされた夜が明けて今日は土曜日


夜はテミナがずっと僕の名前を外で呼んでいたけど


どうしても部屋に入れる気にはなれなくて

気づいたら朝になった。


このモヤモヤとした気持ちを取り払いたくて、

この土日は家に帰ろう


そう思って軽く荷物をリュックに詰めて部屋を出た


扉を開けるとテミナが廊下で寝ている。

デビューが近いのに

風邪ひいちゃうよ。

テミナはダメだなぁ


そう思って部屋の毛布を一枚かけて寮を出た。

寮母さんにはちゃんと土日帰りますと伝えて。


家に帰るとハラボジは突然の帰省に驚いて。


ハルモニは何も言わずにご飯を作ってくれた。


ご飯を一口食べるとあったかい。


候補生になってから今まではずっと居残り練習していて、冷たくなったご飯を食べていた。


毎日


毎日


あったかいご飯をしばらく食べなかったほど


居残り練習をして必死だった。


その時の記憶が次々と溢れてきて、

僕はやっとそこで涙が止まらなくなった。


驚き慌ててタオルを取りに行くハラボジと

優しく頭を撫でて抱きしめてくれるハルモニ。


しばらくずっと声を上げて泣き続けて、

泣きじゃくりながら候補生から落とされたことをハルモニたちに説明した。



そこで僕は寮で抱えていた"モヤモヤ"が

"悔しさ"だと気づいた。



学校を通信教育に切り替えて、寮に移って、

演技を習って。

13歳という年で自分をセーブし続けてきた僕はやっぱりまだまだ子供で。


止まらない涙を流し続けた僕はいつの間にかハルモニの胸の中で眠って、

目が覚めた時には空は夕焼けに染まっていて


美味しそうな匂いがしていた。



だけど泣き疲れと、空腹感がない僕は夕食は食べられなくて

夕食の席を断るとハルモニは


「食べなくてもいいけれど、ハルモニはAとお話ししたいからここにいてちょうだい」

と。


その日、3人でいろんなことを話した。

寮での生活。
ジンギヒョン、テミナ、ミノヒョンのこと。

ジョンヒョニヒョンとの喧嘩。

仲直りしたいこと。
まだ練習生を続けたいこと。

するとハラボジはお茶を飲んだ後に続けた。


「それなら逃げるな。」

と。

続けて

アイドルになりたいならしばらく帰ってくるな、とも。


一見ぶっきらぼうな言葉にも見えるけど

その言葉を聞いた時に

ハラボジは真剣に僕のことを応援してくれているんだとわかった。


家族に応援されている嬉しさを胸に、僕急いで荷物を取りに部屋へ向かった。


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