【アンナチュラル】lemonade

Snow and blood 20 ページ29

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香坂「ねぇ、中堂さん。
そろそろ、ちゃんと名前で呼んでくださいよ、
もう、気づいてるんでしょう？」

意表を突いた質問だったようで、中堂さんが、息を飲む。

中堂「っ………糀谷、A」

A「はい、中堂さん」

糀谷A。それが、私の本名。
姉は、8年前中堂さんの恋人であった、糀谷夕希子。



中堂「どうだ？俺を殺すか？」

A「殺そうと思えばもうとっくに殺してますよ。
そもそも、中堂さんは夕希姉を殺してない」

中堂「その証拠はないだろ」

A「普通人って恋人は殺さないんですよ？
それに、あなたは誰に何と言われようと、
UDIを辞めない。それが何よりの証拠です」

中堂「……今更だな」

A「…私、法医学者を目指すことを決めた時に、糀谷の家とは縁を切ってます。
一生、戻る気はありません、戻りたくもない」

８年前、夕希姉の死因を究明するべく、法医学教室で働くことを決めた私は、自分の姉を殺した犯人と同じ道を選ぶのかと批判され、そのまま自ら縁を切った。

中堂「………」

A「…私は、夕希姉の死因と犯人を見つけ、
貴方を止める。
あと、自分で聞いといてあれですけど、糀谷の名前はもう呼ばないでください」

中堂「……勝手にしろ」

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