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2人ともが果てて
目が覚めると
目の前には飛貴がいて
おはよ と微笑んでくる。
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『.....おはよ』
「もーまだ慣れないの?
何回目??可愛いんだから〜。」
『目が覚めて人がいると
....なんか変な感じなんだもん。』
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物心ついた頃から、朝起きても
いっつも1人だったから。
いつも、行為後に目が覚めると
飛貴がいることに
なんだか未だに慣れないでいる。
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照れ隠しに飛貴に背を向けると
床に置かれたケータイに表示された
すごい数の通知が目に入る。
『....わ、18時半』
「え〜Aー帰っちゃうの?」
『ごめ、今日はもう帰るね!』
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あの人は怒らせたら面倒臭いのに
ついやらかしてしまった。
急いで脱ぎ捨てられた服に腕を通し
名残惜しそうな飛貴に軽くキスをして
急いで家を出る。
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急いであの人に電話をかけ直すと
どうやら向こうの息子も
まだ帰ってないらしい。
駅まで迎えにいくよう言われる。
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にしても、迎えに行かせるなら
相手の名前くらい教えてくれても
いいのではないだろうか。
あんたと同じ学校らしいよ
という言葉から
制服だけを頼りに
改札から出てくる人混みの中を探す。
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入った通知を見ると
あの人からの
18:53に着く電車みたい
というLINE。
あの人に返事をすることなんて
滅多にないけれども
今日だけは仕方がない。
適当に今いる場所を知らせて
頭痛を抑えるために薬を飲む。
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改札の方に目をやると
遅いこともあってか
同じ制服の人は約1名。
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ああ、どうか嘘だと言ってくれ。
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迷わず私に向かって歩いてくる少年に
嫌というほど見覚えがある。
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「Aちゃん。
待ち合わせかな?」
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年6月15日 23時