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『…写真?』


受け取って中を見ると、旅行での思い出の写真が


しかも、背後霊のみんなも笑顔で写っている


重「小瀧のカメラで撮った写真。淳太に渡して欲しいって。」


これ、Aが触れんかったらどうしようって思っててん


触れるみたいやな。良かった、ひと安心やわ。


そう言って、またベットに仰向けになるシゲ


同じように隣に寝っ転がると、キュッと指先を握られる

シゲの方を見ると、彼はただ真っ直ぐ天井を見つめていた



重「人と関わらんくなったら、背後霊は空で転生するんや。」


そんなこと初めて聞いた。


『シゲは、生まれ変われるとしたら何がいいの?』


重「ん〜、風やな。」


『え、風?』


少し驚いた

今までのシゲを見ていたら、
人にまた生まれ変わって、淳太にうざ絡みするねん!
とかいうと想像していたから


窓から入ってきた風が髪を撫でてふたりを包む


いつの間にか真っ直ぐな瞳が私を見つめていて


手はいつの間にか離されていた


重「おん。風になって、世界中旅したいなぁ。もちろんAのところにも。やから、






…幸せになってな。」



『えっ…?』



重「俺との生活は、思い出としてどっかにしまっとき。Aが、今よりずっと、
俺が悔しがるくらい幸せになった時に、会いにくるわ。」


クシャっと笑った時にできる笑窪

風になったらもう見られないかもね

反射的に涙が浮かぶ



でも、ここで泣いちゃダメだ。1番辛いのは彼のはず。



笑え、自分


不器用でも良いから


最後はやっぱり笑顔で


私らしく、彼らしく終わりたい



『…わかった。シゲが入り込む隙もないくらい幸せになってやる。』


重「へぇ、来世が楽しみや。」



んじゃ、寝るか。そう言って、彼は目を閉じた


布団の中で、存在を確かめるように再度手を握られる


その温かさが心地よくて、眠りに引き込まれていく




いつだっただろうか


その温かさが消えたのは


『…ありがとうシゲ。また、いつか。』


眠りに引き込まれる直前の私の声は






果たして彼に届いただろうか

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shihok0712(プロフ) - 気が付いたら涙がら流れてました。目に見えて、普通に会話し合える背後霊なら、一緒に居て楽しいやろなぁ。唯一亡くなる前に通り魔から庇うしげちゃん、男気半端ないですね! (8月20日 20時) (レス) @page37 id: ebf12df227 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - はじめまして!この作品読んでボロ泣きしました。いい話過ぎます……! (2023年3月26日 22時) (レス) @page35 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか。(プロフ) - とても面白かったので続編待ってます!勉強も更新も頑張ってください。 (2019年12月8日 6時) (レス) id: 2aef7cd3bd (このIDを非表示/違反報告)
おず(プロフ) - 続き、嬉しいです待ってました!楽しみにしてますね (2019年11月9日 15時) (レス) id: bc6c17b8f8 (このIDを非表示/違反報告)
bbjaniyokoyuzu(プロフ) - 涙止まりませんでした!!!続きお待ちしてます!!!!!!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: c52be9df5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚菜 | 作成日時:2018年1月22日 20時

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