フォッグに隠れた輝夜姫:kwmr ページ16
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夜になり、人も少なくなったオフィスで僕は編集作業を進めていた
会議室には福良と伊沢がいるし、実質執務室には僕ともう1人しか居ないのだが…
パソコンのキーをタップする音は僕の音しか聞こえなかった
もしや、うたた寝だろうか…と思い彼女の席を覗こうとした時だった
｢伊沢さ…おっと、伊沢さんは会議中だった…｣
本を片手に残っていたライターの1人が立ち上がった
彼女の長く艶のある黒い髪に見とれていると、彼女と目が合う
｢河村さん？…ああ、丁度良かった！河村さんに聞こう｣
突如、彼女…Aさんは僕の方へと歩いてきて少し微笑みながら言った
｢河村さんに質問です、アンドロイドと人間のどちらかしか生物がいない世界になったら河村さんはどちらになりますか？｣
ああ、出た…彼女の突拍子もなく正しい答えもない問い
彼女は今まで、オフィス内で無理難題のような質問を投げかけてはどう答えても謎めいた微笑みだけを残す
『アンドロイドと人間だけ…ですか』
人間とアンドロイドだけ…としたら植物は無事なのだろう
食料のことを考えるとアンドロイドは何も食べずに生きていけるし人間よりも長生きだが心という物が無い…
悩ましい問題だったが僕はしばらく考えてこう言った
『人間でしょうか、新しい物を生み出す力はやはり人間の方が強いのではないかと思いますし…何よりアンドロイドになると僕は完全に感情を失ってしまいそうですしね、感情があれば楽しさというものが感じられる』
僕のこの答えも、いつものように
｢ふーん、そうなんですか｣
と笑って返されるのかと思っていた
｢…そう、よかった｣
いつもの返しと違う事に驚いて、彼女の方を見る
謎めいた笑みではなく、本当に安心したのか柔らかい笑みで僕を見た
『よ、よかった…とは？』
『私はアンドロイドになりたかったんです、好きな人を置いて逝くなんて…辛くて絶対泣いてしまいます、自分が泣いてるところなんて誰にも見せたくありませんから』
泣いているところを見せたくないという理由だけで感情を捨てると言った彼女は、確かに普段から心が読めなくて
『では、私が先に命を終えたら、貴女はどうするのですか？』
｢…泣きます、それはもう…だって、好きな人がもう動かないなんて…誰にも見られいないなら思う存分泣きます｣
『それは…つまり、僕の事が好き…なのですか』
少し期待して言ったけれど、彼女はふっと背を向けた
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エリッサ(プロフ) - もうお任せします！！ (2020年4月7日 3時) (
レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストありがとうございます！関係性やお話の内容等にご希望はありますか？もしなければ私が色に合わせてお書きしますね (2020年4月7日 0時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
エリッサ(プロフ) - 初めまして。かわいいお話が多くて素敵ですね！カナリア色でいizwさんのお話を書いてほしいです。もしよろしければお願いします。 (2020年4月5日 21時) (レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空屋 | 作成日時：2020年3月12日 14時
