錦戸くん3 ページ33
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それから錦戸先輩は何かと私のところへやってくるようになった。
そのアプローチがわかりやすすぎて、私は周りの目がとても気になって毎回追い払っていた。
だけど遇えば遇うほど、錦戸先輩の闘争心に火をつけてしまうようで、さらにアプローチはエスカレートしていく。
教室に錦戸先輩が来る度、キャーキャーと言う声援が響く。
思ったより諦めが悪い。
というかしつこい。
どうして私なんかにこんなに…
｢せやから！私は錦戸先輩のこと好きになりません！｣
｢いや、Aちゃんは絶対俺の事好きになるで｣
｢なんでそんなに自信があるんですか？｣
｢俺には落とせへん女はおらへん！｣
今日も相変わらず、昼休みに私のところへやってきて一緒にお昼ご飯を食べてる錦戸先輩。
何回断っても諦めなかったから、これだけは許すことに。
｢先輩、受験はいいんですか？｣
｢え、俺の事心配してくれてるん？
嬉しいやん｣
｢そういうことではないです！｣
｢大丈夫やで。
こう見えても俺勉強できるし！｣
｢それはよかったです！｣
｢卒業したら俺に会えなくなるの寂しいん？｣
｢…｣
｢否定しないってことは寂しいんやな？｣
｢そんなことは言ってません！｣
とは言え否定しきれない私がいた。
この数ヶ月、錦戸先輩の猛アプローチを受け、最初こそ迷惑な気持ちだったけど、ここの所もう錦戸先輩がいるのが当たり前になっていた。
ふとさっきの言葉で卒業を意識したら少しだけ、寂しい気持ちが生まれた。
いやいや、そんなことは無い！
しつこいのがいなくなってせいせいするはず。
｢Aちゃんほんとつれへんな。
ま、そういうすぐになびかんとこも好きや。｣
そう言って焼きそばパンを食べる錦戸先輩。
いつも周りにたくさんの女の人を連れていた錦戸先輩だけど、ここ最近はそんな取り巻きがだんだん減っている気がする。
変な噂もあまり聞かなくなった。
｢あ、そうや！
もうちょいでバレンタインやん！｣
｢そうですねー｣
｢なんでそんな棒読みなん？
もちろん、Aちゃんは俺に本命チョコくれるやんな？｣
｢だから、どっからそんな自信が生まれるんですか？
あげませんよ｣
｢いや、絶対その頃までに俺のこと好きにさせる！｣
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神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
