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「…はい」
Aさんは俺の告白に小さく頷いた。
立ち止まって思わず彼女を引き寄せ腕の中に閉じ込めた。
やばい、めっちゃ嬉しい。
今、うんって言ったよね?
聞き間違いじゃないよね?
不安になって顔を覗き込むとAさんは耳まで真っ赤にしてる。
ほんとかあいいんだけど。
「でも、一つだけお願いしたいことがあります。」
深「なに?」
「私たちが付き合っていることは会社の人には秘密にしてほしいんです。」
深「なんでよ?」
「あまり、目立ちたくないんです…
今日だって深澤さんのこた狙ってる人たくさんいたでしょう?」
深「あー、」
「もう私は会社では静かに目立たずにいるって決めたんです。」
正直、そんなやっかみからは俺がいくらでも守るし、Aさんと付き合えたこと自慢したいくらいだけど、俺は彼女の辛い過去を知ってる。
それで何年も恋が出来なかったこともわかってる。
だからせっかく付き合えたのに無理強いはしたくないと思った。
彼女が穏やかな気持ちで過ごせるのが一番だから。
深「わかった。
誰にも言わないよ。
だから安心して?」
「ありがとうございます。
あの…これからよろしくお願いします」
深「こちらこそ。
あ、家ついちゃった。」
気づいたら彼女のアパートの前にいた。
一人で歩いたら長く感じるこの距離もAさんと2人ならあっという間に感じる。
恋ってたぶん、そういうもんだ。
深「今日はゆっくり休むんだよ?」
「またお母さん…」
深「お母さんじゃねーっつうの」
「ふふ、心配ありがとうございます。」
深「…たく、」
「?!」
心配する俺をお母さん見たいだって笑う彼女。
こうなったら俺が彼氏だってきちんと証明してやる。
向かい合って彼女の前髪を少しだけ避けておでこにキスしてやった。
驚いたAさんはしばらくフリーズ状態。
大きい目をさらにまん丸にして俺を見ている。
深「俺がお母さんじゃなくて彼氏だってこと、わかった?」
「あの…、えっと、はい。」
深「ふは、寒いかは早く中入りな?
じゃないともっとたくさんちゅーしちゃうよ?」
「…?!
お、おやすみなさいっ」
Aさんは慌ててアパートの中に入っていった。
そんな必死に逃げなくても…
まぁいいや、これで晴れて俺はAさんの彼氏だ。
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カフ(プロフ) - あさん» 読んで頂きありがとうございます☺️コメント気づかず遅くなってごめんなさい💦そしてしんどいお話書いてしまってすみません💦苦しい展開書かれる方多いんですね😱 (2023年4月27日 21時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 3人が楽しく飲める仲になったのに、性格クソ悪そうなのがやってきた😅どうか平和に平和に、やっと幸せになれたんだからもう苦しめんといて。近頃の書き手さん苦しい展開の方を多く書く方が多いからしんどい😭 (2023年4月10日 1時) (レス) id: 8855129fd7 (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - あめみやさん» リアコですよね〜💜こういうことしそうだな〜って勝手に想像しながら書いてます✍️ありがとうございます🥰 (2023年3月30日 21時) (レス) @page44 id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
あめみや(プロフ) - 深澤くん、やっぱリアコ過ぎますって(*_*) (2023年3月26日 16時) (レス) @page41 id: a179dcb416 (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - るなさん» いつもありがとうございます。ライバルが現れてお話の展開がまたあるのでまた苦しい展開になるかもですがどうなるかお楽しみいただけたら嬉しいです😭 (2023年3月24日 12時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カフ | 作成日時:2023年1月25日 21時