いいかげん、好きになれよ2（紫）

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「もしもし？」








土曜の昼過ぎ、早速交換した番号へかけてみる。
いきなり過ぎたかなとも思ったけど、出なかったら出なかったでその時は仕方ない。
とりあえずかけてみようとスマホを取った。

2コールくらいですぐに彼女は出てくれた。
出先なのかおしゃれなBGMが遠くの方で聞こえている。










深「もしもし、深澤だけど…」

「はい。
昨日はありがとうございました。」

深「ううん。
もしかして、出かけてる？」

「あ…はい。
ちょうど近くのカフェで…」

深「そっか。ごめん。」

「いえ、大丈夫です。
あっ、照くん…」

深「え？照？」

「はい。
うちの近くまで用があって来てたらしくて、会うことになったんです。」

深「そうだったんだ…
じゃあ、楽しんで。」

「深澤さん…？」









思いもしなかった奴の名前に動揺してそのまま電話を切った。
嫌な予感は的中。
Aさんは今、照と2人きりで会ってる。
土曜の昼過ぎ、これから2人がどんな風に過ごすかなんてわからない。
不安が押し寄せる。
大丈夫だと思うけど…多分。
頭の中はAさんと照のことでいっぱいだった。


こういう時ほど時間が長く感じる。
ぼーっとしてると2人のこと考えちゃうから、ゲームでもすることにした。
それなのに全然集中できない。
結局ゲームもすぐにやめた。

思ったよりも、早く二人の距離が縮まっていく気がして…自信なんてこれっぽっちもなかった。
あの俺が…女の子の事でこんなに焦ってるなんて信じらんねぇ…

いつの間にか夜になってしまったけど、何も食べる気になれずソファーに寝転んでいた。
好きな女が他の男と2人きりで過ごしてるなんて思ったら落ち着いていられるわけがない。

今日は土曜日だから明日も休みなわけで、時間なんて気にしなくてもいい。
彼女のことだから一晩の過ち…なんてことはないだろうけど、照は何するかわかんねぇ。

スマホを睨みながら時間が過ぎるのを待っていると急に着信が。




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