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それからしばらくの間は涼子さんの新しい生活のための相談に乗ったりして、仕事帰りに会うことが多くなった。
休日も呼ばれることも多くなって…
代わりにAちゃんに会える時間が減っていく。
でも涼子さんの離婚が成立するまでの辛抱だ。
そう思えば我慢できた。
久しぶりに時間が取れたので壁をノックしてみると窓がガラガラと開く音が聞こえた。
Aちゃんが気づいてくれたことが嬉しかった。
もはや懐かしいとすら思える。
それもそのはずだ。
俺たちが出会ってからもう2年が経つんだ。
2年かぁ…できればこれからも隣にいたい。
Aちゃんが自分を大切にしろって言ってくれたから心機一転やめようかなって思ったけど、彼女は俺がタバコを吸うところが好きらしい。
一瞬迷ったけどやっぱりやめることにした。
涼子さんと付き合い始めてから少しでも大人に見られたくて吸い始めたからなんてさ、かっこ悪いじゃん。
もう背伸びする理由も自分を着飾る必要もないんだ。
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深「最近はどう?
話は進んでる?」
涼「…うん。
何度か、話はしてる」
最近、俺から聞いたりしないと涼子さんは部長とのことを話さなくなった。
聞いても上手く躱されてモヤモヤする。
涼子さんは本当に離婚のこと、1人で暮らすことを進めているのか…
俺はだんだん彼女を疑うようになった。
俺の知ってる涼子さんはこんな人じゃなかった。
皆に頼られてて、どんな仕事を頼まれても嫌な顔せず引き受けて、明るくて優しい人。
何が彼女を変えてしまったのかわからない。
深「ねぇ、ほんとに話進んでるんだよね?」
涼子「進んでるよ。なんで?」
深「気になったからさ。」
涼子「Aちゃんとは会ってるの?」
深「いや、あんまり」
涼子「ごめんね。
私のせいだよね。」
深「別にそう言いたいわけじゃないよ。」
涼子「でもAちゃんって可愛くていい子だもんね。
皆に大事にされてて羨ましい。」
深「涼子さんにだっていつか大事にしてくれる人が現れるよ。」
その時の涼子さんはちょっと怖い顔してた。
それが気になったんだけど、それ以上聞けなかった。
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それから数日が経ったある日、仕事を終えて家に帰る。
今日はいつもより少し早く帰れた。
Aちゃんと会えるかな?
そう思ったのに彼女の部屋の電気ついていなかった。
今日はどこかに出かけているか?
それとも残業か?なんて思ってた。
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カフ(プロフ) - makko210jump622さん» 遅くなってごめんなさい💦お勉強お疲れ様です!お話読んでくれてありがとうございます☺️もどかしい展開が続いてしまったとは思いますが楽しんでもらえたみたいで良かったです💕 (2023年1月6日 23時) (レス) @page43 id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
makko210jump622(プロフ) - 素敵なお話、ありがとうございました!勉強の合間に、とても楽しませてもらいました。途中、ふっか!どっちなんだよ!!と思いつつ(笑)、カフさんの書くふっかがリアコすぎて、悶えながら読みました😁改めて、カフさんお疲れ様でした😊 (2022年12月17日 13時) (レス) @page45 id: b241e75ed7 (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - いくさん» ありがとうございます!好きだった人だからこそ無下にできない葛藤を上手く表現出来ていましたかね?💦楽しんでもらえてよかったです😄 (2022年12月7日 19時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - meeeeenさん» ありがとうございます!そうですね😊ライバルにも幸せになってもらいたいと思いながらお話書きました!番外編もお楽しみ頂けたら嬉しいです! (2022年12月7日 19時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - きこさん» そう言って頂けて嬉しいです😊ありがとうございます😄番外編も引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります👍 (2022年12月7日 19時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カフ | 作成日時:2022年11月18日 22時