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「どうしよう」
「すごい話だよ?
私だったら挑戦する。」
「でもさ、アイツがいるんだよ?」
「もう何年も前の話じゃない。
もしかしてあんなことされてまだ未練あんの?」
次の日の仕事終わり、同僚の和桜に相談をした。
和桜はもちろんアイツのことも私がどんな目にあってきたかも知ってる。
そして私がヘアメイクにどれだけなりたいと思ってるのかも。
「それに目黒くんがいればアイツも下手に手出してこないでしょ?
話聞いてると深澤、目黒くんに元カノだって言ってないみたいだし…もう子供じゃないんだからそれなりにうまくやるわよ。」
「それはそうなんだけどさ…」
本当は私だけがこんなに気にしてるのわかってる。
だってアイツからはもう何年も連絡ひとつ無いもの。
「どちらにせよ後悔だけはしないでね。
過去に縛られて本当にやりたいこと出来なくなるのは勿体ないよ。」
私の肩を優しく叩いて和桜は奥にタオルを置きに行ってしまった。
本当はにやりたいこと…か。
たくさん悩んで決心が着いたのは、蓮に話をもらってから2週間ほどたった頃だった。
今日は仕事終わりに蓮が家に来る予定だったからその時に話そうと思っている。
蓮は家に来るや否や私の腕を引きソファーに座るとこちらを見た。
「返事聞いてもいい?」
そして待ちきれなかった様子で聞いてくる。
「ヘアメイクのお話だよね…
私で良かったらお受けします。」
「ほんとに?
よっしゃあー!」
蓮の嬉しそうな顔を見たら、少しだけなんとかなる気がしてきた。
「だけどまだ職場に話してないからいつになるか分からないよ?」
「もちろん。
Aちゃんにとって1番いい方法でうちの仕事も出来るようにこっちからもお願いしてもらうね。」
「ありがとう」
蓮はソファーに座ったまま私を引き寄せた。
その腕の温もりが暖かくて、蓮にやっと伝えられた安心感と仕事の疲れですぐに眠気がやってくる。
「Aちゃん、疲れてる?」
「大丈夫…
ちょっとうとうとしちゃった。」
「無理しなくていいよ。
もうちょっとこうしてよっか。」
蓮は私の頭を自分の胸に引き寄せた。
そして子供をあやすみたいにとんとんと背中を叩く。
寝ちゃいそう。
きっと大丈夫。
こんなに私の事大切にしてくれる蓮がいるんだもの。
アイツに会ったところで今更何もない。
そんなことを自分に言い聞かせながらいつの間にか私は眠ってしまっていた。
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カフ(プロフ) - 柚姫さん» ありがとうございます!ここから結構展開してくると思います!💜くんや🖤くんの気持ちがどう動くのかお楽しみ頂けたら幸いです! (2022年4月5日 0時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
柚姫(プロフ) - 更新お疲れ様です。じっくり読ませていただきました。これからの展開が楽しみです。味方がいない状況は辛いのですが、💜さんがいてくれた事にほっとしました。ありがとうございます。 (2022年4月2日 8時) (レス) id: 31ed921faf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カフ | 作成日時:2021年6月8日 21時