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結局そのまま早退させてもらうことになった。
医務室で休んだおかげで少し体調は回復したものの、まだ完全には良くなっていない。
やっとの思いでマンションにたどり着き、そのままベッドにダイブした。
情けない。
今までちゃんとやってこれた。
1人でも頑張ってこれたのに。
いつの間にこんなに弱くなっちゃったんだろ…
今の私、自分が一番嫌いな女になってる。
人の優しさにつけ込んで甘えて…
深澤さんの気持ちはぐらかしてばっかりだった。
目黒くんのことも蔑ろにして、ほんと最低。
分からないなんて言ってる場合じゃない。
ちゃんと向き合わなきゃ。
外はもう薄暗くなり始めていた。
空を闇が包んでいくのとともに私は眠りに落ちた。
閉め忘れたままのカーテンの隙間から零れる陽の光が眩しくて目が覚めた。
寝起きの働かない頭で手探りででスマホを探す。
掴んだスマホで時間を確認する。
時刻は7時…良かった寝坊しなくて。
たっぷり眠ったおかげで体もだいぶ楽になった。
支度をしようと立ち上がった時、スマホが震えた。
深澤さんからだ。
「おーごめんな、朝から。
起きてた?」
「おはようございます。
はい、昨日はすみませんでした。」
「いいのいいの。
それより体調は?
少しは楽になった?」
「はい。もう大丈夫です。
なので今日は出社します。」
「って言うと思った。」
「え?」
「だから電話したの。
今日は休みなさい。」
「でも…」
「今無理してまた倒れたらどうするんだよ?
今度こそ俺心臓もたないよ」
そこ?って思ったけど心配してくれてるのは伝わる。
深澤さんなりの優しさ。
たぶん、私のことを好きだからこその優しさ。
申し訳なさと共に心がじんわり温かくなるのを感じた。
「だから今日は1日ゆっくり休んで、明日からまた頑張ること!いい?」
ちゃんと食べろよ。
そう言って電話は切れた。
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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (2020年11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時