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観念してここ数日の出来事を打ち明けた。
深澤さんと飲んだ次の日にやっかみを受けたこと。
翔太が助けてくれたこと。
目黒くんとのことで翔太と揉めたこと。
うんうん、と相槌を打ちながら聞いてくれる深澤さん。
「要するにAは女子社員の嫉妬の的になってたわけだ。」
「そういうことです。」
「俺いいこと思いついた!」
いつの間にか深澤さんの吸っていたタバコはなくなっていて、携帯灰皿に吸殻を入れていた。
「ほんとにすればいいじゃんその話」
「え?何言ってるんですか」
「誰か一人とほんとに付き合ったら文句言えないでしょ。」
「私が?目黒くんと?」
「違う違う。そこは俺でしょ!」
自分を指さしながら深澤さんが言う。
上司だけど、本当に何言ってるんだこの人?
至って笑顔で、これほどまでにない名案とでも言いたげな表情。
「そろそろ本気で訴えてもいいですか?」
「ははっ、ほんとAってこんだけ俺が押しても靡かないから燃えるよねー」
「深澤さんって変わってますね」
「それ褒め言葉?」
「どうやったらそう思えるんですか。」
「昔から自分の都合のいいようにしか解釈できないの」
「羨ましい性格なことで」
「どういたしまして。
どう?少しは元気出た?」
「少しだけ落ち着きました。
全然解決はしてないけど」
「それはよかった。
あんまり気張り過ぎんなよ。
さ、もうひと仕事するかー」
立ち上がって、んーと伸びをした深澤さんはドアの方に歩いていく。
「何してんの?行くよ?
これ以上サボってたら給料泥棒になっちゃう」
ドアノブを掴んで振り返ると深澤さんは少しだけ切なそうに笑った。

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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時