4 ページ4
.
｢とりあえずお疲れー｣
カチンっとジョッキの当たる音、スーツ姿のサラリーマンがひしめき合う大衆居酒屋。
今日のプレゼンのお疲れ様会。
結果はまだだけど、おそらく通るだろうとのことで我慢できずにやってきた。
｢あー頑張ったあとのビールってなんでこんなにおいしいんだろ｣
｢A今回頑張ってたもんな。
いいプレゼンだったよ。｣
そう言いながら向かいに座った深澤さんは私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
｢でもその割には最後の質問、意地悪すぎませんでした？｣
｢ごめんごめん。
ちょっといじめたくなっちゃって｣
ははっと笑う深澤さんは仕事中のキリッとしたオーラが取れて穏やかな表情だ。
｢それにしても、なべはなんでいないかね
せっかく先輩の奢りで酒が飲めるっていうのに｣
実は深澤さんは翔太の大学の先輩でもある。
だからかわからないけれど、同期で唯一同じ部署に所属された私のことも同じように可愛がってくれている。
当の翔太は今日は用事があるらしくあっさりと誘いを断って定時で帰宅していった。
｢俺ずっと気になってたんだけどさー｣
｢はい？｣
｢2人ってなんかあったの？｣
だし巻き玉子を摘んでいた箸を止めて深澤さんを見ると、不躾なことを聞いてしまったとバツが悪そうな顔をしていた。
｢いやー入社した時は2人、仲良かったよなーって思ってさ。｣
別に仕事に支障きたしてないからいいんだけど。
と続ける。
そう言えば、そんな時期もあったなぁ。
ガチガチに緊張してた入社式で1番初めに話しかけてきてくれたのが翔太だった。
｢入社式ってなんか緊張するよね。
早く終わってほしー｣
｢そうですね｣
｢俺、渡辺翔太。
同期なんだから敬語やめてよ。｣
｢ありがとう。
私はAA。｣
｢Aちゃんね、よろしく。｣
そう言って伸ばしてきた手を握って私たちは握手した。
あの日の翔太の優しい笑顔を思い出していた。
いつからだったけ…翔太と私の関係がこんな風になったの。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです！誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね！ (2020年11月30日 17時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え？！全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…！ありがとうございます！！更新楽しみにしています！ (2020年11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年11月16日 20時
