27 横山SIDE ページ27
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｢なーんか、最近裕顔緩んでるで？｣
いつものようにAと夕飯食べとると、Aが身を乗り出して俺の事ジロジロ見てくる。
｢な！なんもあらへん｣
｢変なのー｣
Aはまだなんか言いたげやったけど、それ以上つっこんでこおへんように無言で圧かけたら黙ってまた食べ始めた。
これ意外と効くなぁ…
別に隠してるわけちゃうけど何となくAには茉莉香ちゃんのことを言いたくなかった。
それに子供ちゃうし、全部報告せなあかん決まりもないやろ？
｢お待たせしました！｣
金曜日の夕方、茉莉香ちゃんの予約してくれた店の前で待ち合わせた。
少し遅れてやってきた彼女は小走りで俺の前に来ると笑った。
普通にかわいい。
ホームページ通りのええ雰囲気の店。
全席が軽い仕切りやカーテンで仕切られてる。
俺らは奥の方の席に通された。
向かい合って座る。
｢横山さん何飲みますか？｣
｢そしたらとりあえず生頼もうかな｣
茉莉香ちゃんは、タブレット端末で2人分の酒を注文してくれた。
料理が来てもさり気なく取り分けてくれたり、酒が無くなりそうになったら注文してくれたり…
ほんま、気遣いの出来る子やな。
｢横山さん、社内の女の子たちにすごく人気なんですよ。｣
｢そうなん？｣
茉莉香ちゃんはそう言って、この前の呑み会で絡んできた子の話や、他にも俺の事をかっこいいと言ってくれる子達の話をした。
正直、自覚はなかった。
確かにこの前みたいな呑み会では周りに女の子おること多かったなーってくらいで。
まさか他部署の女子社員迄もが俺に注目してるなんて思いもしとらんかった。
｢競争率高いし、私なんて隣の部署だから接する機会もなくて、諦めてたんです。｣
そう言って笑った後、カシスオレンジの入ったグラスに口をつけた茉莉香ちゃん。
その頬が赤くなってるのは酒のせいか、それとも…
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
