あのね、パパ【伏黒恵】

恵side ページ5

長女のAはあの人と同じ
天与呪縛だった。
ホントにまるっきり。




赤みがかった目と紫髪は嫁の香音と似てて
性格は俺だった。





貴方「…………ごめん……なさい…」






半年前、香音が死んだ。
相手は特級レベルだった。






悟「オマエは悪くないでしょ？

…寧ろよく祓ったよ」




貴方「でも……ママが…」






Aはあの人が使ってた刀で呪霊を祓った。







貴方「私がっ…怖くて動けなかったせいで！！
死んじゃったんだよっ！！」








俺はなんで香音だけが死んたんだって
少しでも思ってしまった。







恵「……香音」







俺はAに抱きしめる事も
慰める事もしなかった。





お前が無事で何よりだって言えなかった。
それがどれだけAに苦痛を与えたか
今になって分かる。





野薔薇「伏黒の気持ちもわかるけど
Aの気持ちも考えなさいよ

あの子がどんくらい怖かったか」







恵「あぁ」







野薔薇「分かってないでしょ！
ったく…」








Aの泣き顔見たのいつだっけ。
学校で俺と似て無愛想だから、虐められてないか心配。







恵「A」







でもAは俺と違って
よく人を見てる。
大人を。






貴方「なに、パパ」







恵「ご飯何がいい？」







まるで






貴方「カレーがいいな」







恵「花が好きなやつだから？」








何一つ見逃さないような目で









貴方「うん
花が少しでもお利口になるように」








人を見ている。

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