【ヒプマイ】嘘も方便【夢野幻太郎】

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そんなことがあった次の日

宅配便など頼んだ覚えがないが、突然鳴ったインターホンに重い腰を上げればとても大きなダンボールが運ばれてきた。

幻太郎「…何だこれ」

送り主を確認すると、可愛らしい字で飴村乱数と書かれたいた。

中に帝統でも入っていたらどうしようなんて考えながら荷ほどきをする。

幻太郎「これは……服？」

中に入っていたのは服が数着と靴…と手紙。

『げんたろうへ
これは女の子と初デートに赴く幻太郎への餞別だよ！
シンプルなものが多いからよかったら着てね！
ちなみに、これ全部新作の服でまだ発売されてないやつだから、着心地とか教えてくれると嬉しいな！』

最初の方は余計なお世話だとも思ったが、まぁありがたく受けとるとしよう。

…ついに明日か。

今日の夜にでも本のカフェのことを話しておこうか。

あぁこんなに楽しみなのはいつぶりだろう。

ふとガラスに映った自分の少しゆるんだ顔を、
いつの間にか入り込んだ野良猫に見られてはいないかと周りを見渡したが幸い自分しかいないようだった。

いい大人が一体何をしているのだか

一度冷静になり、少しでも執筆中のものを進めようと自室に閉じ籠ることにした。


幻太郎「……あぁ、もうこんな時間か」

気がつけば午後六時を回っていて、
居間に行けばどこから入ったのか野良猫、否帝統が赤鉛筆を耳にのせて新聞とにらめっこをしていた。

幻太郎「不法侵入ですよ」

帝統「わりぃ、玄関開けっぱなしだったからつい入っちまった」

幻太郎「あぁ鍵を閉め忘れていました。」

帝統「まじか、珍しいな
まぁ入ってきたのが俺でよかったな！」

幻太郎「…泥棒も帝統もどっちもどっちですがね」

帝統「ひでぇな！」

幻太郎「まぁいいです。今からご飯にしますが食べていきますか？」

帝統「是非とも！！」

幻太郎「図々しいですねぇ」

そう言いながらも、作り慣れてしまった二人分の晩御飯を食卓に並べた。

帝統「そーいや明日だっけ？デート」

幻太郎「いいえ？デートは結局なしになりましたよ」

帝統「はっ？まじ？！なんでだよ！！」

幻太郎「そんな大声出すなでおじゃる〜」

帝統「いや、だってよ！！」

幻太郎「嘘ですから」

帝統「嘘かよ！！
お前な〜そんな嘘ばっかついてると現実になっちまうぜ？」

幻太郎「おや？それを言うなら勝って帰るという大嘘が、いつまでも現実にならないのはどこのどいつで？」

帝統「い、いや〜誰だろーなぁ…ははは」

幻太郎「子供か」

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