【ヒプマイ】嘘も方便【夢野幻太郎】

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Aside


あれからほとんど毎晩、夢野先生と電話している。

A「…今まで付き合ってきた人ともこんなに電話したことない…かも」

布団に寝転がり天井を眺めながらそんなことを思う。

夢野先生との電話はとても楽しくて、

どこへ行くかを決めるはずなのにいつの間にか脱線。

結局毎回決まらないのだけど、次も電話する口実ができるからいい…なんて。

我ながら性格が悪い…。

prrrrr

噂をすれば、と充電中のスマホを見れば「夢野先生」の文字

今日も少しドキドキしながら電話にでた。

A「は、はい！」

幻太郎『こんばんは。』

A「こんばんは！」

幻太郎『ふふ、まだ緊張してるんですね』

A「いや、全然してないですよ緊張なんて全然？！」

幻太郎『嘘はおやめなさいな』

A「…夢野先生だけには言われたくないです」


そんなこんなで気づけば一時間くらいくだらない話をして。

幻太郎『それにしても全然決まらないですねぇ』

A「ですねぇ……あっ！」

幻太郎『なんです？』

A「あの、私一個だけ行きたい所があるんです…けど」

幻太郎『どこですか？』

A「駅前にあるパンケーキのお店です」

幻太郎『……ほぅ』

A「あ、でも女の子ばっかですし夢野先生入りづらいですよね…」

言ってから後悔する。気遣いが全然できてない…

まず、最近あまりにも近すぎて忘れそうになっていたが、夢野先生は有名人だ。

それに、あのルックス。女性のファンなんて山ほどいるだろう。

それなのに人が沢山いる所になんて連れていったらパニックになるし、夢野先生もきっと楽しめない。

A「や、やっぱパンケーキの話はなしでお願いします！」

幻太郎『…いえ、行きましょうか』

A「でも！夢野先生は有名人ですし私なんかといたら…」

幻太郎『貴女まだそんなことを言っているんですか…

最初に言いましたよ、それは貴女のエゴであると。

小生は貴女と行きたいと思ったからから行くのです。』

A「……でも…」

幻太郎『では仮に、小生が有名人だとしましょう。
今貴女はその有名人と電話しているのですよ？』

A「…たしかに」

電話は良くて出かけるのはダメってのはおかしいよね。

幻太郎『俺は、有名人だとか一般人だとか、今さら気にするようなことではないと思うよ。』

A「えっと、じゃあパンケーキのお店でお願いします…」

幻太郎『承知しました』



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