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幻太郎「すみません、うちのリーダーがわがままを言って。」
A「いえ、私も楽しかったので…」
私達以外に1人もいない暗い道を二人で歩く。夜風が頬を撫でて少し肌寒い。
幻太郎「デート…どうしましょうか」
少しの沈黙の後夢野先生が切り出した。
A「…えっと、本当にいいんですか?嫌なら言ってくださいね?」
私の気持ち的にも、嫌なら嫌と早めに言っていただきたい。
幻太郎「だから嫌じゃないでおじゃる。わらわのことが信じられぬのかのぅ?」
A「…」
信じられないわけではない。
でも、夢野先生はなんだかんだ言って優しいから。
幻太郎「…では、ふざけずに言いましょうか。
小生は、貴女と出かけるのは嫌じゃないですよ。」
A「そ、うですか」
幻太郎「貴女こそどうなんです。その場の空気を読んだんだけじゃありませんか?」
A「違います!むしろ嬉しいくら…い…で…」
やらかした。
嬉しいとか…そんなの言われてもきっと困るよね。
あくまで私が負けたせいで夢野先生を巻き込んでしまっているのに。
幻太郎「小生も…嬉しいですよ」
暗くてよく顔は見えないが、きっと優しい嘘だろう。
A「……そういう嘘はいらないです」
素直に騙されておけばいいものを、可愛いげのない言葉を今日も紡ぐ。
幻太郎「嘘ではありませんよ」
A「…そうだったらいいですね」
幻太郎「…はぁ…最初に日付を決めましょうか」
呆れられてしまっただろうか。
……私はどうして、いつも、こんなに
A「はい」
素直になれないんだろう。
私の家に着くまでの間に話し合った結果、一週間後の土曜日になった。
その日私は、バイトも学校もない。夢野先生も何もない日のようだ。
幻太郎「それでは、また連絡しますね。おやすみなさい」
A「はい!送ってくれてありがとうございました、おやすみなさい!」
夢野先生の後ろ姿を見送ってから部屋に入る。
A「はぁ…もっと素直になれたらなぁ…」
後悔の末、今日も一人頭を抱えたのだった。
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はりそん(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!こちらこそありがとうございます!!! (6月19日 8時) (レス) id: bafcf47fba (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごくいいお話だったので一気読みしてしまいました!こんなに素敵な作品を作ってくださって本当にありがとうございます!! (6月19日 1時) (レス) id: 7a68ba3320 (このIDを非表示/違反報告)
はりそん(プロフ) - マイケル磯田さん» コメントありがとうございます!最高なんて言って頂けて私も最高です!すごく嬉しいです!ありがとうございます! (2022年4月22日 0時) (レス) id: bafcf47fba (このIDを非表示/違反報告)
マイケル磯田 - ふと、推しの夢小説って読んだことないな…と思い主様の作品を拝見させていただきました!あの…最高でした(語彙力)世界で1番幻太郎のことが大好きで、物語の中の彼が可愛すぎて、悶絶しながら読ませていただきました(笑)幻太郎の新たな一面も見れて楽しかったです! (2022年4月12日 7時) (レス) id: a8e885080b (このIDを非表示/違反報告)
はりそん(プロフ) - 花奏さん» コメントありがとうございます!ひぇ、、、そう言って頂けてこちらも胸いっぱいです……!ありがとうございます!!!! (2021年11月17日 2時) (レス) id: bafcf47fba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりそん | 作成日時:2018年9月6日 2時