突き刺さったナイフ ページ6
一松side
俺はじり、と一歩後ろに下がる。
まさか、こんなとこでラスボスに出会うとはなぁ……!
入り口を塞ぐ位置に、腕組みをして立つmorteに、俺はこの後どうするか考えていた。
逃げるのは…無理だな。
相手は俺を育てた奴だ…俺の行動なんて読まれてしまうのがオチだ。
じゃあ…どうする?
俺が持ってるのは…機関銃に、毒のついたナイフ…!!
m「…こんなところで、何をしている?1046号?
私はお前に、最高の部屋を用意したはずだが?」
相変わらずの相手の嫌味に、イラっとくる余裕もないが、
一「はっ……あの部屋は、俺にはちょっと勿体無いと思うがなぁ…?
俺はまだまだ未熟…あんたぐらいになりゃ似合いそうなもんだけどな」
せめてもの見栄ってやつか?
皮肉で返しちまう。
m「……ほう?それはそれは…」
はっはっは、と声を上げて笑うmorteは、その笑みを顔に残したまま、
懐からピストルを取り出した。
m「面白いことを言うなぁ?1046号…?」
奴がピストルを構えて________引き金を引いた。
咄嗟に、弾の軌道に向けてナイフを投げると、弾とナイフとが弾き合い、ふざけた所へと飛んで行った。
m「…なっ……」
一「……!」
…これは、予想していたが…本当になってくれるとは。流石俺の腕だな。
だが…ナイフが無くなった今、俺には銃撃戦という手しか残されていない…。
それはまだ、ここでは避けたいのに________!
機関銃をぎゅっと握りしめ、奥歯を噛みしめる。
どうすれば良い?
どうすればこの状況を、切り抜けられる________!?
一「………………?」
そこで、俺が目をやったのは、飛んで行ったナイフ。
何であんなにしっかり、壁に突き刺さってるんだ?
…基本的にこういうアジトの壁は、硬く、頑丈に造られているはず……
………………まさか、
何かを、隠してる!?
一「くっ!」
俺は、ナイフの刺さっている所に滑るように走る。
morteが盛ったのであろう毒は、もう既に体を回ってしまっているらしく、少し手先足先が痺れていた。
そのせいで、反応が少し鈍った。
morteの撃った弾は瞬間俺の頰をかすめる。
危機一髪…もう少しで顔に風穴が開く所だわ。
ガッ、とナイフの柄に手をかけると、俺は勢いよく引き抜く。
引き抜いたそれを、新たに壁に突き刺し、下へと引きずった。
ビリビリと白い壁紙が剥がれ、その下から現れたのは________
一「…これは、どういうことだ?」
牢屋と、沢山の人間だった。
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フルですが何か(プロフ) - ゴフッ←(最初の甘さからの温度差に致命傷を負った人間) (2023年1月8日 22時) (レス) @page16 id: 954ab8f47c (このIDを非表示/違反報告)
松壱@おそ松さんgirls(プロフ) - ルーことさん» 閲覧&コメントありがとうございます!はい!頑張ります! (2018年12月23日 20時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
ルーこと(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2018年12月23日 14時) (レス) id: 2c5edc2ba8 (このIDを非表示/違反報告)
おそ松さんgirl(プロフ) - ドンヒラgirlさん» 閲覧有難う御座います!はい!頑張ります!!(*´∇`*) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
ドンヒラgirl - 1からずっと見てました!素晴らしい語彙力とストーリーの内容で見いってしまいました!続きが楽しみです!これからも頑張ってください!^^ (2018年6月13日 18時) (レス) id: 4539be4f63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月18日 19時