八番目の日常【地縛少年花子くん】

捌番目と七番目の喧嘩 ページ21

Aside


「危機感を持てなんて……

普に言われたくないよ！！！」


私は今までにないくらい声を荒げた
普に対してこんなにカッとなったのは初めてなんじゃないかと思う

普は驚いて目をぱちくりさせている


「…俺に言われたくないってどういうこと」


「普のほうが自覚ないってこと
分からないの？」


「…俺のほうが？」


「……普さあ、距離感って知ってる？
私と接するときと寧々ちゃんのときと、ぜんぜん変わらないからね？
ほんと、どっちが彼女か分からないくらい」


こんなこと言いたくないのに…
抑えられずにどんどん言葉が出てしまう

普は下を向いたまま黙って私の言葉を聞いているだけだ


「あ、もしかして
彼女は寧々ちゃんでもいいってこと？
誰でもいいんだね、軽蔑した」


……ねぇ、否定してよ
何でいつもみたいに苦しいくらいに抱きしめてくれないの


「じゃあ寧々ちゃんと付き合えば？

私は普なんかどうでもいいし」


普を突き放すような言葉を言った瞬間
胸の奥が苦しくなり、涙が溢れた

…何で黙ったままなの…っ


「……っ普なんか！！もうしらない！！
二度と私の前に現れないで


……っ大ッ嫌い！！」


それから私は逃げるように走り出した



「…Aっ！！」


普は私の名前を叫んだが、追いかけては来なかった
ほらやっぱり。私なんてどうでもいいんでしょ

普なんか、大嫌い

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