Episode⒋ ページ16
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気付くと気を失っていた私が目を覚ました時、どうやら昼間近くのようで強めの日光が窓から射し込んでいた。私の身の回りは綺麗にされており、きっと私が気を失った後に志麻が片付けをしてくれたのだろうと想像出来た。
「い"っ」
腰の骨が砕けたかのような痛みが走る。反射的に喉から出た呻き声も掠れていたが、激しくしてとお願いした私の立場から文句を言う筋合いはない。はあ、と溜め息が零れた。
「お、起きたん？」
「……志麻、」
「歩ける？」
トレーナー姿の志麻が顔を出したかと思えば、少しだけ心配するような目線で歩けるかどうかを尋ねてきた。私は無言で首を横に振る。
「俺の友達が来ることになったんやけど、もし必要なら車で家まで送ろか？」
「いいの？」
「家近いし別にええで」
確かにここから私の家までは徒歩15分、車で5分程度の距離である。彼自身の負担も少ないだろうと踏んだ私はその言葉に甘えることにした。
「洗面所はそっち。顔洗ってき」
「ありがとう」
恋人でも家族でもない相手にも気遣い上手なところが私はかなり好きだ。同時に彼女が未だに出来ない理由が見付からずに戸惑いの気持ちさえ感じている。
案内されたとおりに洗面所を借りた私は、水で顔を洗ってからティッシュで拭いた。冬の氷のように冷たい水に背筋がぷるりと小さく震える。
ピンポーン
このまま鞄を手に取り帰ろうとした瞬間だった。私と志麻しかいないリビングに突如として鳴り響いたインターホンに、思わずぴしりと全身が固まった。
「……あー、」
困ったように志麻が玄関を見やる。きっとドアの向こうには彼の友達が待っているのだろう。判断に困るようにその場に立ち止まる志麻の姿に私はそっと近付く。
「私一人で帰ろうか？」
「……いや、」
私の提案に迷うように思考を巡らせていた志麻は、否定の言葉をひとつ口にした。そして何を考えたのか堂々と玄関に歩くなりドアを解錠した。
「志麻……？」
「俺の友達、Aも知ってる人やで」
私の知っている人？首を傾げた私の先で無慈悲にも開いたドアから、低い男性の声が聞こえてきた。複数人にも聞こえる男性の声に嫌な予感が胸をよぎる。
「まーしぃ遅い」
「俺らドアの前で凍るとこやったで」
「ははっ、ごめんて」
ドアの向こうから見えた影は二人。何やらぶーぶー文句を言いながら入ってくる二人の男性に、私はどちらも見覚えがあった。
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らむ(プロフ) - みさきさん» みさき様 コメントありがとうございます！更新速度は遅くなるかもしれませんが、完結までお付き合いいただけると嬉しいです✿ (2022年9月19日 12時) (
レス) @page44 id: 246795febf (このIDを非表示/違反報告)
みさき - 頑張ってください！ (2022年7月27日 0時) (レス) @page39 id: 734386537b (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - アヒルさん» アヒル様 コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりでございます✿今後もどうぞ宜しくお願いいたします。 (2022年7月2日 9時) (レス) @page19 id: 246795febf (このIDを非表示/違反報告)
アヒル - らむさん、やばいです。 めちゃくちゃ好きすぎて、友達にすすめちゃいましたｗｗ これからも、頑張ってください！ (2022年7月2日 6時) (レス) @page1 id: f44091270b (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 翔さん» 翔様 コメントありがとうございます！当方の単なる妄想話にも関わらず、翔様に楽しんでいただけて嬉しい限りでございます。原曲もとても素敵な曲ですよね🌷今後も更新を続けてまいりますので、息抜きの際にでも是非お楽しみくださいませ。 (2022年6月30日 0時) (レス) @page11 id: 246795febf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむ | 作成日時：2022年6月27日 10時
