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俺の保険。 ページ6

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「あれ、赤葦じゃーん!」


「お?お?嫁さんですか?嫁さんですか?」


「うわ、うざい」





少女に無言電話がかかった翌日の部活終わり。既にバレー部の練習を終えた赤葦は梟谷学園の敷地の端にある弓道場を訪れていた。勿論、昨日約束した通り少女を迎えに来たのだ。



赤葦には弓道部の友人が多い。それは少女のつてであったり、単純に部員数が多い故、1、2年で同じクラスになったことのある人数が多いためであった。



そして弓道部の友人たちは、からかいの意を込め、赤葦の前では少女のことを奥さんやお嫁さんと呼び、少女の前では赤葦のことを旦那や夫と呼ぶ。



最近、赤葦が少女と帰宅を共にすることが多くなってからは、尚更ちょっかいをかけてくる。



それらを面倒臭そうにあしらっている赤葦だったが、内心満更でもない。寧ろ、良い感じに優越感に浸っていた。





──やっぱ、傍目から見ても俺らはお似合いなんだよなあ……





思わずニヤけそうになるのを必死で抑える。赤葦が今まで作り上げてきた自分のイメージを崩さないように。





──俺は”優等生”で、”真面目”で、”冷静”で。





物心つく前から、既に、常に、赤葦の隣には少女がいた。だからだろうか。赤葦は、人には何時か、自分の全てを失える覚悟で何かを挑むときが訪れることを知っていた。悟っていた。



そして、それは全員がそうではないことも。自分の下には訪れなかったり、訪れていたとしても気が付かなかったりする人もいる。





──俺は幸せだ。だって、俺の生きる意味……Aに出会えたんだから。





所謂それが自分が生まれた、生きてきた、生きていくための命題である。そして赤葦は幼少期から保険をかけていた。



”何か”あっても、自分に疑いの目が向かないように。”優等生”の仮面を被り、何事にも”真面目”に取り組み、常に”冷静”で、決して一時の感情に身を委ねたりはしない。



それが、赤葦の保険だった。


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俺の恩を。→←俺は帰った。



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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:得する話
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ライア(プロフ) - あああああヤンデレぷまいーーーーーーーーーー(^q^) (2019年7月11日 0時) (レス) id: 22a2268380 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ぴよ曜さん» ぴよ曜さん、コメントありがとうございます!なんと、この小説で赤葦推しを生んでしまうとは…!!理想だなんて言ってもらえて光栄です!最後までお読み下さりありがとうございました(*´ー`*) (2017年8月26日 0時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ曜 - この小説のおかげで、赤葦推しになりました!(笑)この小説の赤葦は、私の理想です!!完結おめでとうございます!&更新お疲れ様でした!!! (2017年8月25日 11時) (レス) id: 9123716162 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 審神者代理さん» 審神者代理さん、コメントありがとうございます!好みに合えば幸いです!もう赤葦さんの溢れる何でも出来る感に頼りきった作品となってしまいました笑まさにスパダリやあ…(*´∇`*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
審神者代理 - 完結おめでとうございます!やっぱりここの赤葦さんは好みだなぁ…赤葦さんは何でも出来る感がすごいありますよね( `-ω-´) (2017年8月21日 21時) (レス) id: d1c49bf55e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たなぱし | 作成日時:2017年5月28日 1時

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