狐につままれた (ページ11)

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『私はマネをするつもりはなかったのですが…』

『少しお時間をもらってもいいですか？』

「もちろんや。正式な部員にならんくても、忙しいときとかに少し手伝ってくれたりすると嬉しいわ。」

(北先輩めっちゃ優しい人だ！！)

『あ、ありがとうございます！』

少しだけ手伝うのもありかもな、と思った

「そういえば侑が高坂さんにいろいろ言うたみたいやな。」

「あいつは言いすぎてまう癖があってな、よく治とかに口喧嘩ふっかけたりとかもしてんねん。」

(うわ、人と口喧嘩してるのめっちゃ想像つくわ、、、)

「侑、高坂さんに謝ってへんやろ。」

『いや、別にそういう人なんだなって思ってるんで大丈ーー』

大丈夫、そう言おうとしたが北先輩の衝撃的な一言にかきけされた

「やから、連れてきたで。」

『・・・え？』

き、聞き間違えた？？

『あの、今…なんて…？』

「連れてきたで、侑。」

北先輩がもう1度言うと、校舎の影から3人の男子達が出てきた

「・・・・・」

銀と宮侑、それから双子の片割れ宮オサムだ

「すまんな、A。侑がそんなこと言ってたやなんて…」

「ほんま侑はアホやからな。区別もつかんのやろ。」

「・・・・・」

「あ、俺は宮治や。侑とは双子で2の1。よろしゅうな。」

(あのときのWSだ！)

『私は高坂A、2組に転校してきました。よろしくね！！』

「もちろんや。同学年やしタメでええで。Aって呼ばさせて貰うわ。」

(宮侑とは違って心優しそうな少年って感じがする…)

癒し枠？？

この人が宮侑と口喧嘩してるの？？

(想像つかん…)

「・・・・・」

いつまでも黙る宮侑を見て、宮治が口を開いた

「おい侑、いつまで黙っとんねん。普段うるさい癖にこういう時だけ黙んなや。」

「・・・・・」

宮侑はじっと私を睨んでいた

北先輩がため息をついて宮侑に話しかけた

「侑、今回の件で間違いなく悪いのは侑の方や。ちゃんと謝り。」

その言葉を聞いて、バレー部3人はなにかに怯えるかのように震えていた

(北先輩強…)

「す、す…」

『・・・？』

「す、すまなかったな。」

『・・・・・』

『…ふふっっっ笑』

私は堪えきれなくなって笑ってしまった

「な！？おい自分、何笑てんねん！！」

いや、だってあんなプライドの塊みたいな感じの奴が先輩の言葉1つで…

(面白すぎるでしょ笑)