【syp】後輩失格 (ページ11)

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私は目立つことが好きじゃない。

嫌いという訳でもないが、進んで目立ちたいという願望は生憎持ち合わせていない。例えば･･･そう、生徒会長の立候補とかは、絶対に手を挙げない。
偶に内申点に繋がるとか言う理由で立候補する人も居るけれど、例え就職や進学に影響するとしても、私はきっと首を横に振ると思う。いや、面倒臭いのもあるが。

一度、部活の活動の一環として描いた、いじめ防止のポスターが優秀賞に選ばれて、全校生徒が集まる集会で、大々的に表彰されたことがある。
周りの人は凄いと褒めてくれて、私も其れは悪い気がしなかった。少し気恥ずかしかったけれど。

兎に角、良い目立ちなら妥協出来るのだ。しかし、悪目立ちならどうだろう。
自分の犯した罪が、マスコミに取り上げられ大々的に全国放送される。
当然世間からの批判は、水圧最大のシャワーみたいに浴びせられるだろうし、内申点よりも今後の人生に影響してくる。
こんな場面、誰も経験したくはないだろう。

さて、話を戻そう。
この犯した罪が、彼からの告白に置き換えてみよう。否、彼を人気者と表記した方が分かりやすいかもしれない。
例えば私は、人気者のことが大好きな“ファン”のひとりだとして、告白された人は別にいるとする。
＿＿自分の好きな人が、別の人に告白している。

想像しただけでも、苦虫を噛み潰したような、そんな表情になるのではないか。
更に、人気者の彼の事だから、其の“ファン”はひとりやふたりどころではない。

今まで牽制し合って出来上がった皆の存在が、ある日の告白を境に、たったひとりのものになる。
そうすれば間違いなく、私は潰されることだろう。