幻のプラネタリウム。 (ページ20)

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柴田はYouTuberとしてどんどん活躍している。

そして私も大学を無事卒業し

今は普通にOLとして奮闘している。

別れた当初は動画を見ることを渋っていたけど、

頑張る柴田に姿を見たくて、

最近では仕事終わりに見るのが日課になっている。

でも、今日のだけは見ることができなかった。

そして、この話の冒頭に至る。

柴田と奥さんの結婚報告の動画だ。

このサムネが心なしか、私といたときよりも

ずっと楽しそうに笑っているように見えた。

見ると、やっぱり奥さんは、

あの時の写真に映っていたあやなんちゃんで。

私は、この子には勝てなかったんだ。

かわいい、おしとやか、スタイルも抜群。

女の子の全てを詰め込んだような人だった。

そりゃ、柴田も好きになっちゃうよね...。

最後まで見てしまって、泣き明かして、

気づいたら夢の中にいた。

朝、いつも通りLINEが来てないかチェックする。

すると、見馴れないメッセージが一通。

「...え、てつや？」

久しぶりすぎるてつやからのメッセージ。

きっとてつやは柴田たちの一番傍にいたから

このことを知っているのかもしれない。

でも、慰めの言葉なんてごめんだ。

ますます傷付くだけだから。

てつやA久しぶり。てつやだよ最近疲れてない?気晴らしに今度ご飯でもどうかな?

私の事情を知っているはずなのにも関わらず、

そこに触れないでご飯に誘ってくれるてつや。

こいつは昔から本当に優しすぎる。

今なら心を癒してもらえそうな気がする。

Aてつや久しぶりだね! ご飯誘ってくれてありがとうその誘い、乗った!

と、返しておく。

柴田のことを、この瞬間だけでも忘れられるかな。