なんで ページ13
『…みつけた、』
「っ……!!ノア、くん…?ノアくんなの、」
ぎゅっ、て抱きしめられる。
…あぁ、前と同じだなぁ
あったかいけど、
苦しいくらいに抱きしめてくれるのは変わってないね
『…うん、のあ。
いまはのんっていうんだ』
「うそ、本当に…?でもなんで、?」
『…かいぬしさまが、いってたでしょ?
“いつか僕と離れ離れになる時が来たら、今と同じ銀色の毛と、水色に光る目は探す術として残しておいて”って。』
「約束、ちゃんとまもれてえらいね、っ…」
『ん…、』
「また、撫でていいかなぁ」
『うん、いっぱいなでてくれる?』
「もちろん…っ、おいで、ノア」
前と同じ様に、高くも低くもない心地良い声で僕の名前を呼んでくれた。
その大きい体で、僕の体も心も包みこんでくれて、
鼻と鼻を合わせて、いつものあいさつ。
いってきます、いってらっしゃい、
ただいま、おかえりの合図。
僕たちだけの、秘密の合図。
『かいぬしさま、』
「翔平」
『しょ…、?』
「しょうへい。名前、呼んで…?」
『しょう、へい……、しょうへいさん、しょうへいくん……くふふ、』
「なぁに、ノア」
『ノアもいいけど…のんって、よんでくれないの、?しょうへいくんは、きらい…?』
「きらいじゃないよ。大好きさ」
“とんでもなく愛おしいよ”と
顔の至る所に唇を押し付けるしょうへいくん。
くふふ、くすぐったいなぁ
[のんくん!って翔平!?]
「あ、姉さん……」
『おかあさん』
「おかあさん!?えっちょっと待って、お母さんなの?」
[そうだけど……翔平に紹介したこと、あったっけ…?]
『おかあさん、ぼく、しょうへいくんとすむ』
[え!?どういうこと!?]
『しょうへいくんね、前の僕のかいっ、んんー…』
しょうへいくんの大きな手で口を塞がれる。
お母さん、びっくりした顔してる。
しょうへいくんは僕を抱きしめて、お母さんと内緒話中。
しょうへいくんがお母さんの耳付近から口を離した。
お母さん、呆れた顔してる。
しょうへいくんは満足気。
「のん、来週から一緒に住もっか」
『…うんっ、しょうへいくんと住む』
また、前と同じ生活ができるね
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作者名:NON | 作成日時:2024年1月8日 14時