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田中をガン無視しながら、今日の練習も終わった。
明日はついに土曜日。影山と日向の入部をかけた紅白戦だ。
「俺も明日、出なきゃなんだよなぁ…」
「おっ上弥でも緊張することあんだな!」
「あ、スガさん、お疲れ様です。俺も緊張くらいはしますよ〜」
「まぁ気楽にな!んで、何で田中と喧嘩してんだ?」
「うっ…気付いてる…俺…白鳥沢に、見学に行きまして…」
「何してんの!?」
「……牛島若利とちょっとやり合ったんですよ。」
「牛島と!? 喧嘩を!?」
「俺のイメージ何なんですか!?普通にバレーをですよ!」
今朝受けた牛島のサーブの痛みが、じわじわと蘇ってくる。
俺がレシーブを体験したのは、それが初めてだったけれど、アイツは俺と同じ特別だ。
サウスポー。神が与えてくれたギフトである才能。
「やっぱ、先輩方には悪いんすけど、今のままじゃ、牛島若利には勝てません。」
「……やっぱりそうか?」
「まぁ、かといって諦めるつもりも無いんですけど。」
でも、勝つためには完全なる個。影山の存在が必要不可欠になってくる訳です。
そう言うと、スガさんはすべて理解した表情を浮かべた。
「俺のこと気にしてるわけね?田中は。」
「そういうことです…そんで俺は…すみません…」
「大丈夫だべ!気にすんな!俺は、少しでも多く勝ちたいと思ってる!」
「……そうですよね。そうおっしゃると思ってました。」
「ん?お前は影山を出したいんじゃないのか?何でそんなに不満そうなんだ?」
「何でか分かんないんですけど、俺、悔しいんだと思います。スガさんに試合出てほしいのに…」
「!! かっわいいなぁお前〜!!」
「ちょ!髪の毛崩れる!ヤメテ!!」
口では嫌がりながらも、スガさんの手は、暖かくて。
どうしようもないくらい、ホッと安心した自分が居た。
初めて、形だけではなく、本当に先輩として尊敬できる人ができた瞬間だった。
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閃楽(プロフ) - 。さん» ありがとうございます〜🙏進むのが遅かったり、文才が足りなかったりすると思いますが、これからもご愛読頂ければ嬉しいです😊 (1月3日 16時) (レス) id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 更新待ってました!! 今後どのようなお話になっていくのか楽しみです… (1月1日 12時) (レス) @page33 id: 3bfa0dd272 (このIDを非表示/違反報告)
閃楽(プロフ) - 。さん» 返信遅くなって申し訳ありません💦めっちゃ褒めていただけて嬉しすぎます〜😊これからも頑張りますのでご愛読ください😊 (9月1日 21時) (レス) id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
。 - 黒バスとハイキューどちらも好きで、男主も好きで私の好みにどストライクな作品でめちゃくちゃ感動してます、、 文章構成がちゃんとしていて読みやすいし分かりやすくて文才ありまくりで凄すぎます😭😭 更新頑張ってください!!応援してます!! (8月7日 8時) (レス) @page4 id: e8eb9be2b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閃楽 | 作成日時:2023年8月5日 11時