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「上弥遅いの珍しいじゃん、寝坊?」
「いや〜他校に潜入してたんだわ〜」
「上弥せんぱーい!おはようございま〜す♡」
「おはよ〜」
白鳥沢からトップスピードを維持したまま学校まで走ると、まだまだHRまで余裕がある時間に到着した。
でも、まぁ流石に朝練は終わってるか。
体育館には行かず、そのままクラスまで階段を登る。
「田中〜おはよ〜」
「おいッ!お前急に朝練来れないとか何なんだよ!」
「いや、白鳥沢のバレー部侵入してきたわ。」
「何してんの!?」
「(幼馴染)がマネージャーやってんの。朝早いから送っただけ。」
(幼馴染)を夢中にさせた牛島若利に宣戦布告するため、という不純な動機は黙っておく。
それに、田中はそんなことを気にしてる余裕は無いだろうしな。白鳥沢のエース、牛島若利を見て思ったこと。
「結論。今の烏野じゃ、白鳥沢にはどうやっても勝てない。」
「急に何だよ!?」
「だから影山を使わないっていう選択は認めない。」
「でも主将の大地さんが決めたことだぞ!」
「俺は監督だ。」
「でも、」
「田中。お前、あの人たちに全国見せてやりたくないの?」
「……スガさんを置いてまで、全国に行きたいとは思わない。」
歯切れの悪い田中に段々とイライラしてくる自分がいる。気持ちは理解できるが、共感はできないな。
「はーめんどくさ、何で勝利に固執しない?強くあれ、貪欲であれよ。現状に満足してんじゃねー。」
「お前には部活始めたばっかで何も分かんねーだろ!」
「そもそもソレ、スガさんは望んでんの?勝手にテメーが気持ちを代弁すんなよ。」
強く睨みつける。
田中のことは嫌いじゃないが、甘ったれたことを言われると吐き気がするな。
もうお前の話は聞かない、という意を込めて、イヤホンを耳にはめる。
お気に入りのバスケ専門ラジオを開き、流れた声に俺は目を見開いた。
『これ、聞いてるか分かんないんスけど、涼平くん!話があるんスよ!』
「…黄瀬!?」
『俺、これからもっと上手くなります!だから、見ててほしいっス!』
「ふは、言われなくても。」
お前の活躍は、いっつも確認してるよ。
お前だけじゃなくて、青峰も、紫原も、赤司も、緑間も、もちろん黒子も、灰崎だってそうだ。
イライラしていたことも忘れ、画面の奥の後輩の笑顔を想像し、頬が緩んだ。
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閃楽(プロフ) - 。さん» ありがとうございます〜🙏進むのが遅かったり、文才が足りなかったりすると思いますが、これからもご愛読頂ければ嬉しいです😊 (1月3日 16時) (レス) id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 更新待ってました!! 今後どのようなお話になっていくのか楽しみです… (1月1日 12時) (レス) @page33 id: 3bfa0dd272 (このIDを非表示/違反報告)
閃楽(プロフ) - 。さん» 返信遅くなって申し訳ありません💦めっちゃ褒めていただけて嬉しすぎます〜😊これからも頑張りますのでご愛読ください😊 (9月1日 21時) (レス) id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
。 - 黒バスとハイキューどちらも好きで、男主も好きで私の好みにどストライクな作品でめちゃくちゃ感動してます、、 文章構成がちゃんとしていて読みやすいし分かりやすくて文才ありまくりで凄すぎます😭😭 更新頑張ってください!!応援してます!! (8月7日 8時) (レス) @page4 id: e8eb9be2b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閃楽 | 作成日時:2023年8月5日 11時