16 ページ17
・
大きな声で喧嘩する一年生の二人組。どうやら因縁の相手っぽいけど……
ため息を吐きながら、二人に話しかける。
「…お前らさー。もう敵同士じゃねぇって分かってる?
「そうだぞ。バレーボールは繋いでナンボ。大事なのは連携なんだから……」
俺の言葉に大地さんも頷いて、話をしようとしたが、
「勝負しろよ、おれと……!」
「ぅオイ!大地さんの話の途中だろうが!!」
「?何の勝負だ?」
「バレーの!決まってんダロ!」
「1対1でどうやって勝負するんだ。」
「えっ!?パッ……パスとか!?」
「パスに勝ち負けがあんのか。」
「〜〜〜っ!」
「聞けゴルァ!!!!」
田中が不憫すぎる。
さっきまで俺も呆れていたのだが、ことごとく無視される田中が面白く、今は必死に笑いを堪えている。
すると、入口の方から歩く音が聞こえてくる。
生徒の上靴じゃなくて、教師が使っている底が硬い靴。
……はっ、まさかイライラして資料をコーヒーにぶっ刺したのがバレたか!?
「……騒がしいなバレー部。まさか喧嘩じゃないだろうね?」
「!」
「「ゲッ、教頭!」」
「“先生”っ!!」
「「せんせいっ!」」
その姿を見て、俺と田中の声が被るも、スガさんのフォローによりお咎めなしで済んだ。
「喧嘩!?まさか!切磋琢磨ってやつですよ、なっ?」
「そうそう、凄く楽しくて、声が大きくなっちゃったんです、煩かったですよね、すいません!」
大地さんと必死にフォローを入れる。教頭めんどくさいんだよな……
何かとつけて問題行動にしたがるし、いっつも俺を生徒指導室に呼び出すし。俺は生徒のブラックリスト1ページ目かよ。
……。
………。
…………だったら俺が言ったこと全然フォローになんねぇじゃーん!
ごめんなさい大地さん…、と心の中で誤っていると、また一年生ズが何かを始めようとしていた。
「サーブ、打てよ。全部取ってやる。…お前のサーブ、去年は1本しか取れなかったからな。」
日向ァァァァ!!!!!頼むから!今だけは、今だけは黙っててくれ!
皇帝って呼ばれてた俺でも、どうすることもできないピンチ…初めてだわこれ…。
・
596人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
閃楽(プロフ) - 。さん» ありがとうございます〜🙏進むのが遅かったり、文才が足りなかったりすると思いますが、これからもご愛読頂ければ嬉しいです😊 (1月3日 16時) (レス) id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 更新待ってました!! 今後どのようなお話になっていくのか楽しみです… (1月1日 12時) (レス) @page33 id: 3bfa0dd272 (このIDを非表示/違反報告)
閃楽(プロフ) - 。さん» 返信遅くなって申し訳ありません💦めっちゃ褒めていただけて嬉しすぎます〜😊これからも頑張りますのでご愛読ください😊 (9月1日 21時) (レス) id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
。 - 黒バスとハイキューどちらも好きで、男主も好きで私の好みにどストライクな作品でめちゃくちゃ感動してます、、 文章構成がちゃんとしていて読みやすいし分かりやすくて文才ありまくりで凄すぎます😭😭 更新頑張ってください!!応援してます!! (8月7日 8時) (レス) @page4 id: e8eb9be2b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:閃楽 | 作成日時:2023年8月5日 11時