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大学の入試の日。
その日は、雪が降っていた。
入試の会場に行く前に、なんとなく誠司と話したくなった。
冷たい空気が漂う中、窓を開けて誠司を呼ぶ。
「ガラガラガラっ」
A「・・・誠司ー。」
「・・・」
A「・・・居らへんのかな、、」
呼ぶけど、誠司は出てこなかった。
母「・・・Aー。出なあかん時間やでー。」
母に呼ばれた。
私は、諦めて窓を閉める。
A「・・・はーい。」
沈んだ気持ちを振り払うようにして、階段を駆け下りた。
家を出る頃にはもう、
誠司に話したかったことなんか、
忘れていた。
忘れたくて、
自分で忘れたフリをした。
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「・・・はじめ。」
いろんな音が、聞こえた。
「ガサガサガサっ、、」
紙の音。
「シャッ、シャッ、、」
書く音。
「ペラッ、、シャッ、」
めくる音。
また、書く音。
私の聞きたい音は、
聞こえなかった。
でも、
“Aなら、分かるやろ？”
なぜか偉そうで、
“俺に教えてくれたやつやん。”
思い出を思い出させようとして、
“こんなん、俺でも楽勝や。”
大口を叩く、
“俺なら、ここに居るやん。”
“あいつ”の声が
心の中に響いた。
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A「・・・ふぅー。終わった、、」
提出した答案用紙
“せ”の字だけが
滲んでいた。
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にゃあ - 面白かったです！ (2020年2月11日 22時) (
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作者名：Tsumu | 作成日時：2019年9月8日 17時
