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明日はクリスマス。
見える街並みは、クリスマスムード満点な感じ。
実家のテレビをつけても、クリスマスの特集ばかり。
プロ野球のニュースなんか、流れるわけがなかった。
母「・・・Aー。」
A「んー?」
母「明日の夜から明後日まで友達と出かけるさかい。Aは家にずっと居るん?」
A「えーっ、、クリスマス、1人やん、、、」
母「それ分かっとったんに、こっち来たんやないの?(笑)」
A「まあ、そんな気はしとったけど、、」
あっちでも、どうせぼっちだし、こっちにいた方が新鮮で楽しいかな、って思ったんだもん。
あいつも来るかも、っていう、まだ忘れられぬ期待をして。
A「んー、、ずっと家に居るわ。ゆっくり休みたいし。」
母「そう?なら、ご飯とかは自分でよろしくね。」
A「はーい。」
私もどっか出かけようかな、とか
こっそり母について行っちゃおうかな、とか
1人でめちゃくちゃ美味しい焼き肉でも食べに行っちゃおうかな、とか
ぼっちでファミレスパフェでも食べようかな、とか
家で好きなオムライスでも作ろうかな、とか
いろいろ考えたけど、結局は1人でがっつくのはむなしく感じ、
材料を買いに行って、家でチキンとブッシュドノエル作り。
こう見えて、手先は器用な私。
料理くらいはお手のもの。
昔だって、よくあいつのバースデーケーキを作ってやってたもんだ。
誠司『Aー。今年はチョコケーキな。』
誕生日が近づくとケーキの種類を指定される。
毎年いやいや作っていた私ではあったけど、完璧に作り上げて、家でパーティーを開く。
誠司『おーーっ!めっちゃ上手そうやん!いーただーきまーすっ!』
元気いっぱいにいただきますの挨拶なんかして
誠司『んー!やっぱ、お前のケーキは1番やわ。美味すぎる、、、』
お世辞とは思えないほめ言葉を連発される。
でも、それが嬉しかった。
思い出に浸りながら作ったブッシュドノエルは、
ほんの少しだけ、チョコレートの苦さが際立ってしまった。
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にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時