89 ~永瀬side~ ページ44
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永瀬side
優太「いつまでそこでボーッとしてんだよ！置いてっちゃうぞ！」
廉「、、、それ、頭ぶつけるで。」
優太「え？(ガンッ)」
やっぱり予想通りやった岸さん。
ハンマーで思いっきり叩かれたモグラ叩きのモグラみたいに
シュルシュルシュルっとゆっくり頭を引っ込めるから
何とも言えないほど面白い絵になる。
ニヤニヤしながらそっちへ歩みよると
岸さんはまだ頭を抱えてうずくまっとった。
廉「せやから言うたのに、(笑)」
優太「、、、」
廉「え、ほんまにあかんやつ？」
優太「、、、マジいてぇ、」
廉「あ、生きてた。」
優太「、、、俺の生命力、なめんな、」
廉「いや、強がってる場合ちゃうやろ(笑)。」
無事岸さんの生存確認を終えてから、車のドアノブを引く。
自動で開かれたドアに何の違和感もなく乗り込み
いつも通りの流れで内側のドアノブに手をかけた
ちょうど、その時やった。
「＿＿＿廉っ、！」
ここから約30メートルの所
真っ直ぐ、俺の方に走ってくる。
その彼女の手には、光っている何かが握られている。
状況が全く掴めずにいると
「＿＿＿ウィーン」
突然閉まり始める目の前のドア。
どうやら
ドアノブにかけてた手に、いつの間にか力が加わっとったらしい。
それに気づいてもなお猛ダッシュし続ける彼女
どんどん視界が狭まってく俺
間に合わへん。
そう頭をよぎった
次の瞬間
「いけっ、」
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作者名：Tsumu | 作成日時：2020年9月23日 20時
