忘 ページ1
米良さんが狂気から戻ってます。
記憶は無いです。
だいたい三年後ぐらいのお話。
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「ねぇ、僕。」
夕暮れの町。
公園で友達に別れを告げ、大通りを歩く小さな男の子に話し掛けた。
声を掛けられたことに驚いたのか、少しの間を置いた後。男の子はゆっくりと此方を振り返った。
「……なぁに?お兄さん…。」
どうやら、知らない人から話し掛けられたことに怯えているらしい。
……そうか。そうだよな。
心の中で一人頷く。
これ以上怖がらせてしまわないように、としゃがみこんで目線を合わせる。
その綺麗に澄んだ瞳は、どこまでも無垢に輝いていた。
「僕、僕はね、君のお父さんの仕事仲間……いや、相棒、だったんだ。」
そう言って、にっこりと笑いかける。
父親の知り合い、という言葉をどうやら信じてくれたようだ。
強張っていた彼の表情が少し、緩んだ気がした。
「パパのなかま……?悪い人じゃないの?」
「そう!正義のヒーローだよ。」
昔、作り笑いが下手だと言われたこともあり、内心かなり不安だったのだが、どうやら上手く作れていたらしい。
その事実に安堵し軽く息を吐いた。
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