【あんスタ】サポート系先輩【男主】

12話 ページ13

『わあ……大丈夫？』

落ちそうだった私をどうにかその場につなぎ止めてくれているのは、恐らく3年生。

お腹辺りに回された細い腕のどこにそんな力があるのか不思議でしかない。


「だ、いじょうぶ、です。」

すみません、と謝りながら、腕を抜け出して散らばったノートの元に向かう。


『…結構量あるね。手伝うよ。』

急いで集めていると、同じように集めてくれた。
…ただ、集めてくれた半分以上のノートを渡してくれない。

「あの、」

『持ってくよ。…1人じゃ大変でしょ？』


他の奴に手伝いを頼めばよかったのに、と言う先輩に、先程の鬱々しい思いを伝える。

言ってから後悔した。初対面なのに、生意気だっただろうか。


隣を歩きながら、静かに聞いてくれていた先輩は、ゆっくりと口を開いた。


『…よく分かんないけど、そんな気にすることじゃ無いんじゃない？

……多分、みんなは “女の子だから” じゃなくて、 “友達だから” 君の助けになりたい、んだと思う』

友達が困ってたらどうにかしたいもんでしょ、と続ける先輩に、思わず目を丸くする。


……私は、そんな単純な事で悩んでたのか。

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