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いつものように ページ3

「おはよう、A。」

クラスに入るまでの廊下で声をかけられた。
後ろを振り向くと、律儀に挨拶をしたのは、先日DDDで見事に奇跡を起こして見せたTrickstarの飛鷹北斗くんだった。

「おはよう、飛鷹くん。」

私はまだTrickstarの連中が少し苦手だ。
主人公気質の人とは馬が合わないようで。私はモブキャラになる資格さえないのか。そう考えてしまう。

彼は挨拶をすると直ぐにA組に入ってしまった。

…あの子は来てるかな。

脳裏にあの子の姿が映る。DDDの次の日からあの子とは話していない。私もあの子も互いに避けている感じ。

嫌な空気だなぁ。自分でつくっといてなんだけど。

挨拶もせずにクラスのドアを開けた。

次の瞬間、誰かとぶつかった。

「ごめん、A!大丈夫か?」

そう声掛けをしたのはTrickstarの衣更真緒くんだった。私の手首を掴んでこけないように支えてくれたようだ。

「ありがとう…衣更くんの方こそ大丈夫?」

私ばかり気にしているけど今回はどちらも被害者だし衣更くんも怪我はしてないか、心配だ。

「おぉ、俺は大丈夫!男だからなー!」

元気そうに笑って見せた衣更くん。
この人は本当に性格が良いな。

「じゃあ俺はちょっと用事だから〜!」

立ち尽くしていると衣更くんは颯爽と立ち去っていった。

朝だけで2人もTrickstarの人と会っちゃった。
何も言ってこなかったけど、あんずに何も聞いてないのかな…。

喧嘩売られるかと思ってヒヤヒヤしてたけど大丈夫かな。あんずは1人で悩んでいるのだろうか。


……


…今日も普通に過ごそう。それが凡人にできる最適作なんだろうなぁ。

あの子の気持ち→←あんず



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作者名:紫乃月 | 作成日時:2019年12月26日 22時

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