【ついに…】 ページ27
もったいないから。
そんな理由でずっと使うのをやめてたメプチンエアー。
ガチャン
カウンターが70に切り替わる。
ココ最近、ずっと調子が悪くて、せっかくの夏休みなのにまともに睡眠も取れてない。
やっと寝れそう！だと思った時にはもうバイトに行かなくちゃいけない時間で。
｢──182円の商品が1点、合計で1096円です。Tポイントカードはお持ちでしょうか？｣
レジを任されるようになった俺。
お客さんが去った後にゴホンと痰を切るように咳をする。
すると1番レジにいる兄からの視線を感じて。
｢ｯけほげほっ、、、しつれｯ、、ｯ｣
袋はお付けしますか、そう聞こうと口を開くと、我慢してた咳がこぼれる。
｢失礼しました〜。
袋はお付けしますか？｣
見兼ねた智がサッとやって来て代わってくれる。
痰がすごくて、気持ち悪い。
ごめん！と思いながら裏のトイレへ走る。
｢げほげほっ、、ぅ、、ｯけほかほっ｣
咳に誘発されて胃がひっくり返る感覚。
朝食べたものが少し出ちゃって、胃液の独特な味が更に吐き気を誘発して最悪な状態。
心臓がものすごくバクバクして、息が苦しくて、胸も苦しい。
出そうなのは出しちゃって、個室の外にある水盤で口を濯ぐ。
目の前にあった鏡で自分の顔を見ると、それはもう白を通り越して蒼で、血の気が引く。
頬のあたりをつねって赤みをつけ、ふーと深呼吸をしてレジに戻る。
レジには大勢並んでいて、俺の代わりにいつの間にか入ってくれてた先輩の手があっても追いつかなそう。
走って3番レジへ行き、いつものようにピッピとし始める。
ようやくお客さんの波が落ち着いたところでお昼休憩になり、智がこちらに来る。
｢かず、だいじょぶ？｣
裏に向かう途中、ずっと背中を摩ってくれる。
｢だいじょぶ｣
｢俺、ちょっとお昼ご飯買ってくるから先食べてて｣
財布を取ると足早に部屋を出ていく智。
｢羽原くん、体調悪い？｣
店長室からでてきた店長。
｢あの、、そうなんです、体調悪くて、ちょっと限界に近いのでシフト変えて貰ってもいいですか？｣
ダメもとでお願いすると、あっさりOKしてくれた店長。
｢体調が戻らなければ辞めてもいいんだからね？学校が始まって、学校生活にも支障が出たら可哀想だからね、？｣
俺はその日の午後から休むことになって、買い出しい行った智に何も言わず、家に帰った。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年6月12日 2時
