【知られるにはまだ早いかな】 ページ16
｢こんにちは、調子はどんなですか？｣
｢だいぶ良くなりました｣
｢そうですか、良かったです。
胸の音聴きますね、服の下失礼します｣
喘息と診断されて2週間。
最初は発作続きだったものの、ここ3、4日は少し息苦しいのだけで治まっている。
｢うん、若干窄まってる感じはありますが、、苦しいとかあります？｣
｢そーですかね？苦しさは全然感じません｣
｢そうですか…まぁ同じ薬で様子を見ましょう。
次はまた2週間後に来てくださいね。それと、なんかおかしいなとおもったら通院日じゃなくても全然いいんで受診してくださいね。
では、お大事に。｣
案外あっさり終わったな。
薬局で薬を受け取った俺。
近くのバス停まで歩き、次にくるバスを待っていた。
｢｢あ｣｣
｢あ｣
随分待ったバス。
まだ夏には程遠く、日が暮れかけてる。
だから向かってきたバスの中に乗ってる人も見えなかったわけで、
乗ったら部活終わりの雅紀と潤に遭遇。
俺は咄嗟に手に持ってたものを服に隠…せるわけもなく、後ろに隠す。
幸い、学校終わりに直で向かったためカバンという隠し場所がある。
俺は2人と離れた所へ座り、サッとそれを隠す。
｢何隠したの？｣
｢いやっ？それより、お金無くてさ。バス代払ってくんね？｣
俺がそう言うと
｢潤、かずが｣
と払うのを逃れようとする雅紀。
ものすごく疲れてる潤。
これがまぁ可愛いのよ。どーした？って素直にこっちに歩いてくる。
金払えなんて言えない。
可愛いし、疲れてるからすぐキレそうだし。
それに、、俺金持ってるし。
｢今日どんなメニューしたの？朝雨だったしグランド使えなかったでしょ？｣
｢うん。そーなの。だから階段ダッシュして筋トレしてって感じ。｣
｢そっか、お疲れ様｣
潤のカチコチに凝った肩を揉む。
それを不思議そうに遠くから眺める雅紀。
なんで潤キレてないの？それになんで肩なんか揉んでるんだ？──雅紀
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年6月12日 2時
