2 ページ15
あ、バスの中に傘忘れた。
と思ったと同時に『傘忘れてんぞ』『俺借りていい？今日持ってくんの忘れてたわ』ってグループLINEにメッセージが送られる。
『どーぞ使ってくだせぇ』と返信をし、バス停から徒歩3分の学校を目指す。
けど、小雨が降り続いていて、学校に着いた頃にはシャワー浴びた状態になってるかもなって絶望。
近くのセブンで雨宿りでもしようか(傘買えよって話だけど、ケチだから買うという選択肢はない)とそちらへ歩く。
｢羽原の和！？｣
｢おお、中丸の一じゃん｣
｢そこは雄にしてよ。
どーしたの？傘忘れた？｣
｢そんなとこ｣
｢入れてやろーか？｣
そー言う前に入れてくれてんじゃんか。
男同士で相合傘。しかも中丸と。きちいなこれ。
きちいのはそれだけじゃなくて、なんだか発作が出そうな感覚？
気管支の奥で痰が分泌され始めてきた感覚。
｢ｾﾞｪｯ…ﾋﾟｭｰｯんん”！｣
｢めちゃめちゃゼーゼーいってんね？ぜんそく？｣
｢ちがｯげほげほっげほっﾋｭｯげほっ、、｣
｢おぉぉ大丈夫？ぜんそくじゃないの？だとするどどうしようもないからキツイね。｣
コイツに隠そうとした俺が馬鹿だった。
｢きゅ、にゅｯけほげほっ、、とって、ぇほっげほ、｣
｢やっぱり僕が予想した通り。…ほい、早く元気になれー｣
淡々としてる中丸。何も言わずにカバンも持ってくれ、空いた背中をゆっくりと摩ってくれる。
｢なんで違うって嘘ついたんだよ｣
｢これ、、だからっ、、勘の鋭いガキはｯけほっ嫌いなんだよ｣
｢勘が鋭いも何も、大学病院の院長の息子だぞ。
そんなんすぐ分かっちゃうんだから隠すだけムダだよ。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年6月12日 2時
