【潤の恩返し】 ページ4
Nside
“合宿”
｢あ〜、羨ましい！｣
おせんべいをボリボリと食べながらプリントを読む相葉さん。
｢合宿ってどんなことするんですか？｣
｢キャンプ！キャンプ！カレー作るんだけどね、材料が山の中に隠してあってペアでそれを見つけてきて作るの！もーそれが楽しくて楽しくて！｣
｢うわー、疲れそう｣
｢もちろん疲れるけど、楽しいよ！その夜なんかは恋バナしながら寝落ちして、、いやー、楽しいよ！ほんとに！｣
いやー、きつい。
まだ寒い時期でよかったよ。
暑かったらきっとぶっ倒れてた。これ。
｢二宮、立ち止まんな！あともう少しでタイムアップだぞ！｣
｢はーい｣
俺のペアは松本潤。
しっかりしてて辛口で当たりが強い。
なんでコイツと、、、、。
｢わっ、、、｣
｢まつもと！｣
目の前を歩いていた松本が太い蔓にひっかかって体勢を崩した。
フワッと斜面へ引き寄せられ転がり落ちる。
その瞬間はまるでスローモーション。
｢った、、、、｣
危機一髪。
野球で鍛えられた瞬発力とキャッチ力。
見事に松本の頭を手で保護。
太い木に頭をぶつけることはなかった。
けど、、俺の手が…
｢おい、！二宮！｣
あっという間に腫れ上がった手。激痛がする。
心拍数が急激に上昇。
焦って息も乱れる。
｢っ、、、っ、ひゅ、、はぁっ｣
あぁ過呼吸起こしてんな、、脳が冷静さを取り戻し状況を理解する。
なのに呼吸はずっと苦しくて、整わない。
｢二宮、だいじょぶ、だいじょぶだから！俺の呼吸真似して！｣
じんわりと暖かい言葉が胸の氷を溶かす。
｢けほっ、、、はぁ、、はぁ、、｣
辛かった呼吸が落ち着きを取り戻してきた。
｢もー、材料はどうでもいい。はやく診てもらおーな。｣
背中に当てられた手がものすごい安心感を与えてくれる。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年5月15日 23時
