選ばれし者たちのシェアハウス (ページ15)

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日曜日のお昼寝ページ15

ウチの人はアウトドアだ。

今日は日曜日で、ほとんどの人が買い物や撮影に出かけてる。

｢ふーちゃん、このパン食べていいよ｣

僕を“ふーちゃん”と呼ぶのは、眠たそうな顔の大野さん。

大野さんは30代前半にしてローソンの店長をされてる。

賞味期限切れのお弁当やパンをよく持ち帰ってくるのだ。

その度にみんなに配って。

みんなが美味しそうに食べると、ものすごい笑顔になる。

とてもかわいいおじさんだ。

｢作品、あとどれくらいで完成するんですか？｣

和と洋のテイストが混じったこの家。

縁側があり、日向ぼっこに最適な空間となっている。

僕は日焼け止めを塗り、大野さんから貰ったパンとお惣菜をもってそこに行く。

縁側に面しているお庭に大野さんはいて、そこで気持ちよさそうに絵を描いている。

｢あと2時間かなぁ｣

声色はとっても優しく暖かいのに、絵を描くことに集中しているため目がとてもキリッとしててかっこいい。

大野さんは、ローソンの店長を務めながら絵を描いてそれを売ったりもしている。

きっかけは、趣味で描いていた絵をSNSにあげたこと。

大野さんは記録用にそれをSNS上に残していたのだが、非公開アカウントにするのを忘れていたようで。

たまたまその投稿を目にしたお偉いさんがDMで取引の交渉を仕掛けてきたらしい。

そこからその人や知人から、仕事を依頼されるようになったって感じで。

｢ほんとすごいなぁ｣

ぽかぽかな太陽の光を浴びながら、贅沢な午前中をそこで過ごした。