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二宮side
今日は一段とお腹が痛い。
まぁ胃痛だし、下してるのよりはまだマシな気がする。
通学の電車。
ガタンゴトンと揺れることで痛みが増す。
翔｢腹痛いの？｣
和｢ん。｣
翔｢昨日何食べた？｣
和｢ご飯となめこの味噌汁と唐揚げとゆかり和え｣
翔｢…それが原因では無さそうだね。まーとりあえず寝てなよ。｣
と肩を貸してくれる翔。
和｢ひどい撫で肩、｣
翔｢お前、一生貸さねぇぞ！｣
その撫で肩は一瞬にして消え去る。
和｢別にいいし。｣
僕はリュックを抱え込むようにして丸くなる。
翔｢着いたぞ。｣
和｢…ん。｣
目的地に着くと翔の低くて甘い声で起こされる。
目を開ければ世界は横に曲がってて、いつの間にか翔に凭れていたことが分かる。
何も言わないでそーゆー事が出来る翔のカッコ良さに嫉妬して、ありがとうも言わないまま立ち上がる。
和｢わっ、、｣
真っ直ぐだった世界がぐにゃりと曲がりだす。
翔｢ニノ？…とりあえず降りるよ。頑張って｣
いつかの放課後みたいに肩を抱かれ電車を降りる。
降りてすぐのホームのベンチに座らせられる。
すると周りから大人たちの声が聞こえて、体がふわっと持ち上がる。
｢わかりますか？｣
気付けば駅の事務室みたいなところにいる。
和｢あ、はい｣
｢良かった。気分どうですか？｣
和｢もう平気です、すみませんなんか大事になっちゃって｣
｢学校に行けそうですか？キツそうならお迎え呼んでもらって…それまでここに居てもらって構わないので。どうしますか？｣
和｢学校行きます、ありがとうございました。｣
ゆっくりと身体を起こして靴を履く。
ふと胸元に違和感を感じる。
ネクタイが取れてて、ワイシャツのボタンが2個外されている。
僕の手術跡は鎖骨のすぐ下からあって、2個も外したら丸見え状態だ。
多分あんなに心配されたのはこの傷を見られたからだろう。
翔｢ニノ、平気？｣
和｢うん、ごめん。もー全然大丈夫｣
翔｢そっか。学校に電話したら、ゆっくり来なって言ってた。｣
手に持ったペットボトルを僕に手渡しながらそう言う。
またまたスマートにキメやがってと嫉妬。(笑)
和｢水、ありがと｣
翔｢ん。今度はゆっくり立てよ｣
言われた通りにゆっくり立つと、若干血の気が引くのを感じたものの、倒れることなく事務室を出ることが出来た。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2023年1月28日 0時
