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｢アヒルの体温くらいありそうだね｣
｢アヒル？アヒルの体温って？｣
｢42度だよ。和、それくらい熱い。｣
｢まじかー｣
もう喋るのもめんどくさくてテキトーな返事しかできない。
｢保健室行くか？｣
｢やだ。結子にはこんな姿見せらんない。｣
｢保健室の先生を結子呼ばわりすんな(笑)
ほら、智、移動教室なんだから早く道具とって移動しないと！行くよ！｣
トイレでイチャイチャしてたら翔さんが邪魔してくる。
｢保健室が嫌なら授業受けなさい｣
しかも邪魔するだけじゃなくて、こんな残酷な言葉までかけてくるもんだから俺は傷だらけのアヒルちゃんになっちゃうよ。
｢翔くんったら酷いね〜。和、熱高くて辛そうだよ？｣
｢なら竹内先生のことは気にせず保健室で休めばいい話。
ほら、智、行くよ！｣
｢あ”ー！やだ！連れてかないでー！｣
あっという間に、俺の智さんは没収され、トイレにひとり、取り残される。
熱でぼけーっとした頭が不意に傾き、慌てて近くのものに手を伸ばす。
｢げっ、、｣
俺が掴んだのは便器の縁で、、絶対汚いじゃん。
｢げっ、、｣
未だにグラグラする頭。
便器の縁を掴んだ手を離すことが出来ず、そのままでいると、さっきの俺と同じような声を漏らして入ってきた人物が。
学校のキング・松本潤。
2年生ではあるものの、学校の支配権は彼にあり、下手に絡んだりはできない人物。
｢その手で絶対に俺に触れんじゃねぇーぞ。｣
煙たそうにそういう彼。
だが、数秒後に僕の脇の下に手を突っ込み、無理やり立たせる。
その後、洗面器まで強制連行され、｢手を洗え｣と手にハンドソープをツープッシュ。
手に力が入らない俺を見て、僕の手首を掴み、手洗いを補助してくるこの人。
思ってたんと違う。(いい意味で)
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
