【脳挫傷】 ページ21
｢うぅっ、、またドクッってした。｣
いつも以上に白い顔して現場に入ってきたニノ。
辛そうな顔して“心臓が変な感じ。時々意識飛びそうになるんだよね。”そう訴えるから、彼との距離をゼロにし、時々腰に手を回して様子を見ていた。
｢ぶっさんの葬式ぜってー行かねぇかんな！｣
｢懐かしいな(笑)
でも、あの時に比べるともっと声低くなったね(笑)｣
僕らはピカンチの続編を収録中。
今日は岡田(デビュー順で言ったら後輩なわけだからくん付けよ？)が顔を出してくれて、高そうな差し入れも持ってきてくれた。
それに対して翔くんは嬉しそうにはにかんで、いつかのセリフを嬉しそうに楽しそうに口にする。
横のイスにだるそうに身を預けてたニノもこれには笑わずには居られなかったみたい。
目を細めて可愛らしく笑ってるよ。
けど、手を叩きながら大きく笑うと、急に胸に手を当てて、笑顔が消える。
｢またなった？｣
唯一その一連の様子を見ていたオイラ。
すっと隣にケツをずらし、彼に密着する。
｢…うん、数秒間くらいなってた。｣
それが治まってもなお気持ちが悪いのか、ぐったりとオイラに体重を預けてたニノだけど、少しすると何事も無かったかのように振舞ってて、逆に心配になった。
｢ハルの顔して？(笑)｣
｢ふふふっ、ははっ｣
でも、この笑顔を見てるとほんとにだいじょぶな気がしてきた。
ってのはやっぱり間違ってたみたい。
神社の境内を目指し、みんなで階段を登ってたんだけど、その時に事故は起こった。
台本には止まらずに階段を登り続けると書いてあったんだけど、ニノが途中で立ち止まっちゃった。
立ち止まってすぐ、左手を腰に、右手を胸に手を当てたニノ。
これはタクマじゃなくて完全に素のカズナリ。
｢ニノ？だいじょ、、、、にの！！！！！｣
なかなか動かないから、相当辛いんかと思って、ニノの場所まで急いで登ってくと、ニノは髪を引っ張られたかのように頭から落ちていって、あっという間に長い階段の下まで転げ落ちてしまった。
｢にのっ！｣
｢にのっー｣
｢かずっ｣
他の3人も焦った声を出し、一斉に階段を降りていく。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
