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目が覚めた。
頭が死ぬほど重くて、、この感じ、発作を起こしたかも。と思った。
その予想は的中してて、
｢和、分かる？｣
と声がした後に、たくさんの人の気配を感じ、
胸と背中を行き来する冷たい感覚に、発作が起きたことを確信する。
薬を投与されたのか、次第に落ち着いてきた倦怠感。
霞んでて何にも見えなかった視界も、クリアになる。
そんなときに、僕の視界に映り込んできた翔。
｢なんで、、｣
手を握られる感覚とともに、｢よかった、、｣と泣きそうな顔をする翔。
発作を頻繁に起こしていた僕は、みんなに恐がられ、友達もすぐに見捨てられ、発作後は母ちゃん以外、誰もそばに居てくれなかった。
だから、誰かがそばにいて、こうしてくれることがはじめてで、、嬉しくて泣いた。
｢だ、だいじょぶか？どっか辛い？｣
そんな僕を見て、泣きながら声をかけてくる翔。
｢ちがっ、、こんなの、はじめてで、、｣
｢そゆことね、。和のお母さんから聞いたよ。辛かったね、和。｣
母ちゃんから、てんかんのことも、友達がいなかったことも全部聞いた翔。
僕の心の痛みを半分背負ってくれて、一緒に泣いてくれる。
｢地獄めぐり、どうだった？｣
いつも、身体のことになると厳しくなる母ちゃん。
しかも、なんの断りもなく勝手に旅行に来た僕。
だけど、今回は怒らずに、旅の感想を聞いてくれる。
｢よかったね、はじめての旅行ができて。
あんた、もちろん、私にもお土産買ってくれたんでしょうね？｣
最後には母ちゃんらしく、そんなことを聞いてきて。
｢買った買った、バスソルト買った。夜勤明けとかに使って欲しくて。｣
｢そう。ありがとね。｣
翌日に転院が決まった僕。
飛行機内の特別な部屋を用意してもらい、点滴を投与しながら空港へ。
そして、ドクヘリでかかりつけの病院まで運んでもらい、そこに入院するつもり。
そんなスケジュールであるにもかかわらず、翔はできる限り付き添う。と言ってくれた。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
